ライオンになろうとした犬の話

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今日は、たとえ話を。

一匹の犬がいるとします。

その犬がなぜかアフリカのサバンナに連れて行かれたとして(無理すぎる設定)。

そこで、ライオンに出会いました。

ライオンは言います。

「何だ、その小さい体は。その小さい牙は。全然、ダメだ。もっと大きくなれ」

犬は必死こいて大きくなろうとしましたが、体は大きくならず、牙も大きくはなりませんでした。

そして、ライオンにいつもバカにされながら日々を過ごしていました。

そして、あるとき、なぜか日本に帰国しました(無理すぎる設定)。

日本に帰っても、犬は深刻な劣等感を抱いたまま、日々を過ごしていました。

自分よりも大きな犬に出会ったとき、「自分はライオンなんだから」と言い聞かせ、わざわざ喧嘩を売り、こっぴどくやられました。

その傷をペロペロと舐めているとき、あるメス犬が現れました。

恋に落ちました。

一瞬でした。

でも、「ライオンでなければ好かれない」と思い、ライオンのような雄叫びを上げました。

「がおう!がおう!がおう!」

なぜか、メス犬はクスクスと笑っていました。

「どうだい、すごいだろう!」

「そうね、すごいわ」

メス犬は大人でした。犬は自分がライオンであると認められた気がして、すごく喜びました。

メス犬は、無理してライオンになろうとしているところも含めて、その犬を愛していました。

そして、子供ができました。

犬は、子供に教えます。

「体を大きくして、牙も大きくするんだぞ。わかったな」

「わん!」

「ばかもん!違う!わんじゃない!がおうだ。がおうと言うんだ!」

「…???」

「ほら、早く!」

「わおん!」

「違う!何をやってるんだ!この出来損ないが!がおんと言うんだ!でないと、みんなにバカにされるし、メスにも相手にされないんだぞ!」

「わおん……」

「違うと言っているだろう!何度言ったら分かる!お前はダメな犬だな!」

そうやって、子犬は育てられました。

そして、年月が経ち、その子犬も大人になりました。

そしてメス犬と結ばれ、子供が出来たとき、その子犬に言いました。

「いいか、体も大きくして、牙も大きくしてだな…」

「わん!」

「違う!がおう!と言うんだ!」

「わおん!」

「この出来損ないがあああ!!!」

「わおん……」

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