期待に応える気のない人が、楽しそうに結果を出し続ける理由。

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ちょっと前に、浅田真央ちゃんや宮里藍ちゃんの引退が話題になった。

ニュースを念入りに観たわけでもないけれど、どうやら二人の引退理由には近いものがあるんじゃないかなあと思っていた。

自分の願望と、周囲の期待


 

二人とも、すごく若い、というか子供とも言える頃に華々しくデビューし、世界的に注目される存在になった。

 

普通に考えると、子供の頃からそんな結果を出せるくらい力があるんだったら、大人になったらものすごいことになるんじゃないか?金メダルや賞金女王を取りまくりなんじゃないか!?これは、期待できるなあ!と思うかもしれない。

 

でも、実際には浅田真央ちゃんは年を重ねるごとに苦しそうに滑るようになり、得意のトリプルアクセスも決まらなくなり、結果も出なくなった。

宮里藍ちゃんも、その名を聞くことはどんどん少なくなっていった。

 

トレーニングを重ね、経験も重ねたはずなのに、なぜ苦しそうに滑るようになったり、結果を出せなくなっていったのか?

 

たった一つの理由に集約できないくらい複雑なことなのかもしれない。

ただ、大きな要因として、

 

周囲の期待

 

が大きかったんじゃないかと思う。

 

子供の頃から世界的に活躍すれば、当然、世間は大きな結果を期待する。

彼女ならやってくれるだろう、と思う。

そうやって期待されていることを、本人もビシバシと感じるようになる。

 

子供の頃は、純粋な自分の願望のために滑っていたはず。

 

そのときというのは、真央ちゃんも楽しそうに滑っていた。

もしかしたらそんな純粋な願望のために滑り、ボールを打っていた子供の頃が一番上手だったんじゃないか、とまで思ってしまう。ちょっと言い過ぎかもしれないけど。

ただ、世の中に自分の存在が知られるにつれ、そこに「他人の願望」が入ってくるようになった。

 

金メダルを獲ってほしい

賞金女王になってほしい

 

とか、そういう。

昔は、「金メダルを獲りたい!」という自分自身の純粋無垢な願望だったのが、

いつしか「金メダルを獲らなければならない。みんなの期待に応えるために」というメンタル状態になっていったんじゃないか。

と、メンタルジムを運営するトレーナーとして、そんなことを思うわけです。

キングカズがキングであり続ける理由


 

 

自分の人生には関係のない、他人の願望。

 

他人の願望を叶えるために、スケートを滑る。

他人の期待に応えるために、滑る。

無意識のうちにだんだんとそうなっていき、そうなればなるほどスケートやゴルフは楽しくなくなり、モチベーションもなくなっていった。

そんな感じがするんだよね。

 

逆に、例えば、サッカー選手キングカズはどうだろう。

50歳になった今も、楽しそうにサッカーをしている。

カズが苦しそうにサッカーをしているところは…うーん、想像できない。笑

カズはとにかく、自分の願望に従ってサッカーをしているように見える。

点を決められなくても、試合に出られなくても、それをどう思われているかとか、そんなことは関係なさそうだ。笑

「期待に応えなきゃ感」は全然伝わって来ない。

そのメンタル状態でずっとサッカーを続けられているということは実はかなりすごいことで、

あれだけ有名になれば軸が自分から他人に移ってしまってもおかしくはないけど、

カズはとにかく少年の頃の「もっとサッカーが上手くなりたい」という、その純粋無垢な願望に従い続けているように思う。

 

期待に応えるより、自分の願望を叶える方が周囲のためになる


 

 

ただ、これを現代の日本に暮らす多くの人の状況を合わせて考えると、少なくとも真央ちゃんや藍ちゃんは子供の頃は自分の純粋な願望に従っていたはずで、

子供の頃から親の期待を背負っている人も多いのかもしれない、と思う。

 

そういう人にとって大事なのは、

自分の楽しさ、自分の願望をとにかく追求していいと許可することだ。

 

先に期待を満たそうとすればするほど結果は出なくなるし、何より、楽しくなくなる。

楽しくなくなれば、続けたくなくなる。

続かなけば、当然、結果も出ない。

 

やりたいことがわからない、好きなことがわからないのは、最初から周囲の期待に応えようとしたり、周囲がどんな自分を望んでいるかを考えてしまっているからかもしれない。

でも、もっと自分が楽しいこと、自分の心が喜ぶことに許可を出していいんだよ。

 

最後に、世界最速の男ウサイン・ボルトが日本の桐生選手に語った言葉でこの記事を締めます。

 

「日本の陸上界に言いたい。

桐生にあまりプレッシャーをかけないでほしい。

いいか、桐生。

自分のために走れ。それが国のためになればいい。

まずは、自分のために走る。

そして、楽しむ。

それが日本のためになるんだ。

決して国のためだけに走ってはダメだ」

 

これは、いつまでも自分の純粋無垢な願望を忘れずにいろ、ということなんじゃないかなと思う。

 

陸上を嫌いになるな

子供の頃、ただ純粋にもっと速く走りたいと思ったその気持ちを忘れるな

 

と、そう言っているように聞こえる。

 

 

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