超有名サッカー選手、ネイマールが移籍した。
バルセロナという世界最強クラブで、アルゼンチン代表のメッシ、ウルグアイ代表のスアレスの2人と最強の3トップを組み、世界中のクラブを恐れおののかせていたのだけど、その一角であるネイマールの移籍。
移籍先は、パリ・サンジェルマン。
以前には、自分が大好きなイブラヒモビッチという世界屈指のストライカーも在籍していた、世界的に有名なクラブだ。
そして何と、移籍金は290億円。
これ、サッカー史上最高額。
もう、訳わからん額やわ、そこまでいくと。
パリ・サンジェルマン金持ちすぎね。
で、そのネイマールの移籍について、バルセロナの一部のサポーターが怒ってるらしい。
「裏切り者!!!」
って。
ネイマールが裏切り者扱いになっている。
それに対してネイマールは、
「自分は間違ったことはしていないし、どう答えたらいいか分からない。
僕はファンに敬意を欠いたことはない。
選手には、移籍するかどうかを選ぶ権利がある。
残るのは義務じゃないんだ」
と言っている。
うん。その通り。
ネイマールには生きたいように生きる権利があるし、バルセロナでも十分に活躍してきたし、さらに言えば、290億円というお金をバルセロナにもたらしている。
バルセロナはそのお金でネイマールの代役を獲得する予定(ブラジル代表コウチーニョ、アルゼンチン代表ディバラなどが候補らしい。どちらも最高の選手だからチームが手放さない可能性大だけど )、
ネイマールの言っていることはなんら間違っていないのだけど、サポーターのようなメンタル状態というのは、日常でも本当によくある。
怒りの奥には、悲しみや寂しさがある。
実際、サポーターの気持ちの奥にあるのは、怒りの前に悲しさ、寂しさだったんじゃないかと思う。
こんな感じの。
「おおおおい!!行っちゃ嫌だよ!ネイマール!
お前と、メッシと、スアレスの3人での攻撃におれは惚れちまってんだ!!
会場に行って、仲間たちとお前ら3人のサッカーを観るのが、おれの人生の楽しみだったんだよ。。。。
その楽しみがなくなっちまったら、おれあ、何を楽しみに生きていけばいいんだよ!!
お前ら3人のサッカーは、まさしく芸術だった。
もう一度、あのサッカーが観たいんだよ!!
なあ。
だから、頼むよ!!
行かないでくれよ!
もう一度、おれたちと一緒に、バルセロナで世界一を目指そうぜええ!
まじ行かないでくれよお!!!
寂しいんだよ、悲しくて、仕方ないんだよお!!! 」
という気持ち。
それが、本音。
でもなんか、その本音はちょっとダサい気がする。
なんか恥ずかしい。
なんか悔しい。
なんか負けた気がする。
それは、やだ。
そこで出てくるのが、「正しさで相手を裁く」という手段。
これは、なかなか都合が良い。
あなたは「間違っている」。
だから、戻ってきなさい。
そう持っていく。
「裏切り者!!!」という扱いをする。
そうすれば、相手に罪悪感を抱かせることができる。
相手を間違っていることにして、罪悪感を抱かせて、戻ってくるように仕向ける。
そうすると、
自分の恥ずかしい本音はオープンにしないままで、相手を取り戻すことができる
わけだ。
まあ無理なんだけど。
でも本人からすれば、これは都合の良い方法だぜえ!ということになる。
寂しさや悲しさという本音には目を向けずに、怒りの感情を利用する。
「この、裏切り者めええ!!!」
と言う。
でも、それではうまくいかないし、自分も相手を責め続け、間違っていると言い続け、相手もそれが苦しいから当然戻っては来ず、ただただ関係は悪化の一途を辿るだけ。
そうじゃなくて、自分の恥ずかしくて弱っちい本音。
ただ、寂しかった。
ただ、悲しかった。
それは、お前のことが大好きだから。
もし、そう認めて、そう言えたなら。
サポーターは、それだけ自分がネイマールを愛しているのだと気づき、だったら、愛するネイマールの意志を尊重しよう、愛するネイマールの活躍を願おうと思うかもしれない。
悲しいけど、愛すべきネイマールがそう望むなら、応援しよう。そう思うかもしれない。
「お前は永遠に、バルセロナのヒーローさ。おれたちは、ずっとお前を応援してるぜ!パリでも頑張れよな!」
なんて、言えるかもしれない。
そんなことを言われたネイマールの心の中にはバルセロナの思い出が胸いっぱいに広がり、
パリでゴールを決めながらも、いつもバルセロナサポーターの思いを背負いながらプレーするかもしれない。
そうしたらまたバルセロナでプレーしたいと、やはり俺にとっての最高のチームはバルセロナだと思い、数年後に「戻ろう」と思うかもしれない。
お互いにとっての最善とは、何なのか。
そのとき自分がどういう「状態」から、行動するのか。
どういう「状態」から、どういう言葉をかけるのか。
たったそれだけのことで、人生っていうのは大きく変わってしまうと思うんだよね。
だから、良い状態でいよう。
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