怒りの奥にあるのは、寂しさである。バルセロナを移籍するネイマールを裏切り者だと怒るサポーターの本音。

shutterstock_353109104

 

 

超有名サッカー選手、ネイマールが移籍した。

 

スクリーンショット 2017-08-05 14.25.54

 

バルセロナという世界最強クラブで、アルゼンチン代表のメッシ、ウルグアイ代表のスアレスの2人と最強の3トップを組み、世界中のクラブを恐れおののかせていたのだけど、その一角であるネイマールの移籍。

 

移籍先は、パリ・サンジェルマン。

 

以前には、自分が大好きなイブラヒモビッチという世界屈指のストライカーも在籍していた、世界的に有名なクラブだ。

 

そして何と、移籍金は290億円。

これ、サッカー史上最高額。

 

もう、訳わからん額やわ、そこまでいくと。

パリ・サンジェルマン金持ちすぎね。

 

で、そのネイマールの移籍について、バルセロナの一部のサポーターが怒ってるらしい。

 

「裏切り者!!!」

 

って。

 

ネイマールが裏切り者扱いになっている。

 

それに対してネイマールは、

 

「自分は間違ったことはしていないし、どう答えたらいいか分からない。

僕はファンに敬意を欠いたことはない。

選手には、移籍するかどうかを選ぶ権利がある。

残るのは義務じゃないんだ」

 

と言っている。

うん。その通り。

 

ネイマールには生きたいように生きる権利があるし、バルセロナでも十分に活躍してきたし、さらに言えば、290億円というお金をバルセロナにもたらしている。

 

バルセロナはそのお金でネイマールの代役を獲得する予定(ブラジル代表コウチーニョ、アルゼンチン代表ディバラなどが候補らしい。どちらも最高の選手だからチームが手放さない可能性大だけど )、

ネイマールの言っていることはなんら間違っていないのだけど、サポーターのようなメンタル状態というのは、日常でも本当によくある。

 

怒りの奥には、悲しみや寂しさがある。

 

実際、サポーターの気持ちの奥にあるのは、怒りの前に悲しさ、寂しさだったんじゃないかと思う。

こんな感じの。

 

「おおおおい!!行っちゃ嫌だよ!ネイマール!

お前と、メッシと、スアレスの3人での攻撃におれは惚れちまってんだ!!

会場に行って、仲間たちとお前ら3人のサッカーを観るのが、おれの人生の楽しみだったんだよ。。。。

その楽しみがなくなっちまったら、おれあ、何を楽しみに生きていけばいいんだよ!!

お前ら3人のサッカーは、まさしく芸術だった。

もう一度、あのサッカーが観たいんだよ!!

なあ。

だから、頼むよ!!

行かないでくれよ!

もう一度、おれたちと一緒に、バルセロナで世界一を目指そうぜええ!

まじ行かないでくれよお!!!

寂しいんだよ、悲しくて、仕方ないんだよお!!! 」

 

という気持ち。

 

それが、本音。

 

でもなんか、その本音はちょっとダサい気がする。

なんか恥ずかしい。

なんか悔しい。

なんか負けた気がする。

 

それは、やだ。

 

そこで出てくるのが、「正しさで相手を裁く」という手段。

 

これは、なかなか都合が良い。

あなたは「間違っている」。

だから、戻ってきなさい。

そう持っていく。

 

「裏切り者!!!」という扱いをする。

 

そうすれば、相手に罪悪感を抱かせることができる。

 

相手を間違っていることにして、罪悪感を抱かせて、戻ってくるように仕向ける。

そうすると、

 

自分の恥ずかしい本音はオープンにしないままで、相手を取り戻すことができる

 

わけだ。

 

まあ無理なんだけど。

 

でも本人からすれば、これは都合の良い方法だぜえ!ということになる。

 

寂しさや悲しさという本音には目を向けずに、怒りの感情を利用する。

「この、裏切り者めええ!!!」

と言う。

 

でも、それではうまくいかないし、自分も相手を責め続け、間違っていると言い続け、相手もそれが苦しいから当然戻っては来ず、ただただ関係は悪化の一途を辿るだけ。

 

そうじゃなくて、自分の恥ずかしくて弱っちい本音。

 

ただ、寂しかった。

ただ、悲しかった。

それは、お前のことが大好きだから。

 
もし、そう認めて、そう言えたなら。

 

サポーターは、それだけ自分がネイマールを愛しているのだと気づき、だったら、愛するネイマールの意志を尊重しよう、愛するネイマールの活躍を願おうと思うかもしれない。

 

悲しいけど、愛すべきネイマールがそう望むなら、応援しよう。そう思うかもしれない。

 

「お前は永遠に、バルセロナのヒーローさ。おれたちは、ずっとお前を応援してるぜ!パリでも頑張れよな!」

 

なんて、言えるかもしれない。

 

そんなことを言われたネイマールの心の中にはバルセロナの思い出が胸いっぱいに広がり、

パリでゴールを決めながらも、いつもバルセロナサポーターの思いを背負いながらプレーするかもしれない。

 

そうしたらまたバルセロナでプレーしたいと、やはり俺にとっての最高のチームはバルセロナだと思い、数年後に「戻ろう」と思うかもしれない。

 

 

お互いにとっての最善とは、何なのか。

 

そのとき自分がどういう「状態」から、行動するのか。

どういう「状態」から、どういう言葉をかけるのか。

 

たったそれだけのことで、人生っていうのは大きく変わってしまうと思うんだよね。

 

だから、良い状態でいよう。

 

 

より深い内容は、メルマガにて書いてます。

作家・コーチ 池田潤オフィシャルメルマガ登録はこちらから。

 

本も出版しています。

「無愛想のススメ〜人間関係が劇的に改善する唯一の方法〜(光文社)」 2016年12月発売。発売4日で増刷!

15050086_1234694976587033_1261546830_n

 

『自分の武器を見つける技術』2015年12月発売。発売1週間で増刷!

スクリーンショット 2015-11-24 22.06.49

shutterstock_353109104