人間、楽しむことを忘れると、何がしたいか分からなくなりがち。
基本的に、大人になっていくほどに「結果」というものを短期的に出さなければならないみたいな状況になっていくことって多くて、
そうなると、純粋な「したい」「好き」「楽しい」じゃなくて、「結果に結びつくこと」「みんなからすごいと思われること」をやりたいことにしよう!となりやすいんだ。
これは本当に仕方のないこと。
まじ仕方ない( ̄∀ ̄)
社会の空気とか価値観的にも、そうなっていく雰囲気というのがあるからね。
例えば、小説家の人って、文章を書くのが好きだよね。
好きで楽しいから書いている。
じゃないとあんなに書けないだろうし、その時間が苦行なんだったら、何のために書いているのかよく分からなくなってしまう。
でも、社会の空気感や現実的心理的な問題から「結果」が欲しいとなっていくと、
小説を書くことがそこまで好きじゃない人が、「ベストセラー作家と呼ばれたい」と感じたりする。
で、ベストセラー作家と呼ばれたいというとき「やりたいことは?」と聞くと「小説を書くこと」となるわけだけど、
その状態の「小説を書きたい」って、どうなんだろう。
書きたいと言いつつも、なかなか書けないという状況になりやすいと思う。
本を出したいけど、家にすでに出したい大量の原稿があるわけではない、という状態。
そういう状態のときには、2つのパターンがある。
実はそもそも「優れた書き手と呼ばれたい」という結果の喜びが欲しいだけで、別に書くことを楽しいとは思っていないケース。
もしくは、本当に書くのが好きなんだけど、結果に縛られてその純粋な思いを見失っているケース。
前者の場合、小説を書きたいんじゃなくて、「ベストセラー作家と呼ばれたい」という方が正確だと思う。
だけど、ベストセラー作家と呼ばれるためには面白い小説を書かないといけないわけで、それは小説を書くのが好きだったり、それ自体に情熱がないと難しそうだよね。
これは多くのことに言えることで、
例えば「本を出しましょう」というマーケティングがあったとして、
「本をめっちゃ楽しく書けますよ!」なんて売り出し方はしないよね。
「あなたもベストセラー作家になれます!」という売り出し方をする。
つまり、行為自体の喜びじゃなくて、結果の喜びを与えようとする。
そしてそれは得てして、人のコンプレックスや劣等感を「ベストセラー作家という肩書き」によって埋められますよ、というものだったりするわけだ。
でも、そういう売り出し方で集まる人って根本的に本を書くのが好きなわけじゃなかったりするから、
1冊書くのが精一杯だったり、全然原稿が進まない、ということになったりする。
もちろん完全なるビジネス目的で、ゴーストライターを使って本を出して、自分や会社、商品の認知のために本を使うという方法はあるわけで、
それが良い悪い、という話じゃない。
書くのが好きじゃないのはダメ!とか、本出すな!ということじゃない。もちろん。笑
全然それもOK。
今は本を出すのが自分のビジネスを広める手段でありマーケティングになっている側面があるわけで、それが「悪い」ということじゃないです。
書くのが好きじゃないから書くのが好きな人に任せる、というのも全然ありだしね。
ただ今回は「何がしたいか分からないのは、楽しむことを忘れているから」の説明として書かせてもらっているのだけど、
行為自体が好き(やりたい)なのか、結果が欲しい(欲する)のか。
ここには結構な違いがあって、心理学ですでに証明されているのは「結果」や「成果」で自分をモチベートする外発的動機づけには限界がありますよ、ということなんだ。
やりたいことが分からないと感じる場合、
たまに「これかな」と思うものってあったりする。
でも、実際に実行に移すエネルギーが湧かなかったり、途中でやめたくなったり、なかなか結果が出るまで続かなかったりする。
それは「やりたい」と感じているのではなくて、「結果が欲しい」と感じていて、
結局のところ「外発的動機づけで自分を動かそうとしている」ということだったりするんだ。
もちろん、単純作業をすればいいだけとか、行動量を増やせばそれがダイレクトに成果に結びつくというものの場合、外発でも効果を発揮するということも証明されてる。
クリエイティブじゃなくていい単純作業、工場労働のようなものの場合はそれでもいいし、だからこそ高度経済成長期に日本は発展したわけだよね。
でも、今の社会というのはもっと複雑で、行動すれば行動するほど成果が出る、というものでもなくなっている。
もちろん行動は大事なんだけど、クリエイティブであることも求められる時代になってる。
たった一つのクリエイティビティで人生が変わる、ということもあるわけで、そういう「クリエイティブ」になれるかが重要なものってたくさんあって、
ただ、外発的動機付けは人の創造性、クリエイティビティを低下させることもすでに分かっているんだ。
さらに、あらゆる市場が飽和することで、様々な市場や分野において、以前ほど簡単に結果が出なくなっている。
外発的動機づけは「結果が命」だから、結果が出なくなると途端にやる気を失う。
だから、動機がそれだけだと続かなかったり、続いたとしてもメンタルを消耗していくことになる。
とはいえここで難しいのは、大人になってくると、特に金銭面の課題などで「すぐに結果を出さないといけない」という状況になりやすいということ。
周りとの競争意識が働くこともある。
だから、結果に意識が奪われることが多くなって、楽しいとかよりまずは「結果」でしょ!となる。
何度も言うけど、それが「悪い」ということじゃなくて、今回言いたいのは、
そういう風になっていくと、どんどん自分の純粋な「やりたい」が見えにくくなっていく、ということなんだ。
大事なのは、そういう自分の心の動きを俯瞰していること。
そうやって自分の心の動きに気づいていくことで、自分の方向性や何か苦しさを感じた時に修正することができる。
ちょっと長くなったので、今回はこのくらいで。
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