読者の方からこんな相談が来ましたので取り上げます。
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いつも楽しくやさしく、共感できる記事にとても救われています!
僕が扱って欲しいなと思ったのがどうしたらうまく人前で話せるのか?ということです。
僕は人前に立って何かを話そうとすると途端に頭が真っ白になって言葉が途切れて何を話したいのかがよくまとまらないことが多いです。
終わったあとに、あれ言っとけば良かった〜とかめっちゃなります。笑
潤さんの音声やビデオを聞いたりしてるととてもテンポもいいし、言葉がどんどんでてくるし、深いし、とても聞いて居たくなる話し方をされると個人的に思います。
これはやはり「普段の思考の深さ+慣れ」 なのかな?
って思ってるのですが
どうなのかをぜひテーマとして扱って下さると嬉しいです!
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メールありがとうございます。
では、このテーマを使って色々と一緒に考えていきましょう。
人前で話す技術。まず、マインド面から。
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人前で話すマインド
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一番重要なのは、力まないこと、力を抜けること、頑張らない状態でいられることです。
フツーに話せる。
これが一番良い状態です。力めば力むほど、上手く話せなくなります。私自身、熱くなりがちなタイプなのでここは結構意識しています。
そしてここで大事なのは、「なぜ力んでしまうのか」という部分に対する理解です。なぜ、力が入るのか。
それは、根底に「上手く話せなかったらどうしよう」、もっと言えば、「上手く話せないと自分には価値がない」という思いがあるからです。
その結果、「自分を認めさせよう」とか「カッコ良いと思われよう」とか、そういう意識が働きます。
そして、その意識というのは聞き手に全部伝わっていきます。
聞き手に伝わるのは、「自分を認めさせよう」とする思いの裏にある思いです。
つまり、自分を認めさせる必要があるということは、「自分で自分を認められていない」と思っているということであり、その思いが伝わっていきます。
私はそれを言語化して考えるので、例えば話を聞いていてあまり良くない印象を受けたときにそれがなぜなのかということを言語のレベルで考えますが、言語のレベルで考えていなかったとしても「なんか嫌な感じ」という印象は受けるはずです。
ただ、話し手の人は言語のレベルで上手く話せなかった理由が分からないことが多いので、結局、どうしていいか分からない、どう解決していいか分からない、なぜ上手くいかないのか分からないということが起こります。
マインド的な原因から言えば、セルフイメージが低いということがその原因です。結局、いつも言っている「自分に価値を感じる」ということがここでも大きな影響を与えるのです。
常々言っていますが、「自分に価値を感じているかどうか」は本当に日常生活の『全て』の場面で影響を与えます。
仕事でも人間関係でも恋愛でも、人前で話す場面でもなんでもどんなときも、影響を与えます。
だからこそ、逆に言えば、自分に価値を感じるということを体感レベルで理解すれば、それだけで大きく人生は変わっていくのです。
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人前で話す準備
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さて次に、マインド面ではなく、準備段階の話をしましょう。
私の場合、すでに7年以上ブログを書き続けています。さらに、4年間集団授業の塾講師をリアルの場でやっていました。
その結果、何が変わったかというと、自分の思考に「他者の視点」が入るようになったのです。
ほとんどの人は思考するときに、「自分」以外の人は頭の中にいません。それはそれで良い面もあるのですが、「説明する」「解説する」といったときには、それでは上手くできない。
例えば、私は中学生を相手に国語を教えたりしていたのですが、私と相手とでは前提知識も違えば、考える能力も違い、何もかもに差があります。
その「差がある」ということをきちんと認識しているかどうかが重要で、ある意味、彼らのレベルまで「降りる」ということが必要なのです。
説明が上手くない人というのは、他者の視点が薄いがゆえに、自分勝手な形になってしまって「降りる」ことができなくて「分かりにくい」となります。
中学生を相手にしていたりする塾の講師でありがちなのが、成績の良い子には評判が良いけれど、成績の悪い子からは「不親切」と言われるケースです。
このケースでは何が起こっているかというと、その講師が、きちんと成績の悪い子のところまで「降りる」ということがしっかりと出来ていないのです。で、大体、生徒のせいにしてしまいます。
自分が努力せずとも最初からできる人だった人が講師になってしまったりすると、そういうことが起こります。
できないことをできるようになったわけではないので、「できない→できる」の体験が少なく、できないをできるに変える方法を人に説明できる形での知識として持っていないのです。
それはつまり、自分の中で「言語化」ができていない状態です。
人前で話すときに重要なのは、言語化が自分の中できちんと行われているかどうかで、言語化が行われていなければ、説明が分かりやすい、とはなりません。
話が逸れてきたので戻すと、
大事なのは普段から自分と他者の違いを理解することです。
私などはブログを書くことを通じて、いつも他者を意識せざるを得ない状況にあるわけで、読者さんからメールが届いたりするので、他者を意識する環境にあると言えます。
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頭の中でのディベート
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さらに、私の場合は、頭の中で色んな角度から物事を検証しています。
例えば、「自分には価値がある」ということ一つ取っても、この概念は本当に奥が深いもので、色んな角度からこれがどういうことなのかということを考えてきました。
だから、この概念について何かを聞かれたら、全部答えられるでしょう。
普通の人がパッと思いつく程度のことは、すでに考え尽くしているからです。
私がセミナーなどをやると一番評判が良いのは、実は「質疑応答」の時間です。
この「質疑応答」というのは、参加者とのやり取りなわけですが、この時間が私は一番得意で、それはなぜかというと、
いつも他者の視点を交えながら思考しているので、その質疑応答で出てくる質問については大抵すでに考えてあるからです。
だから、質問がきたら「ああ、それはすでに考えて答えが出てます」という感じで答えられます。
また、考えていないことだったとしても、普段から思考のトレーニングをしているので、その場ですぐに考えて答えることができます。
この力というのは確実に人前で話すときにプラスに働いていて、人前で話すときは一人で話しているわけなのですが、それでも他者の視点というのは頭の隅にいつもあって、
「この話をしても分からない人もいるから、あらかじめこういう話をして、この例を出せば今回の参加者の人たちには響くだろうからこのタイミングで入れて…」
なんてことを考えています。自分が喋っているのですが、その喋っている自分が自分なのではなくて、その喋っている自分を見ている自分が自分であるという感覚です。
すなわち、喋っている最中でも自分のことを客観的に見ているということ。
自分の話した言葉や、話し方や、発しているエネルギー、雰囲気、言葉のチョイスなど、自分という存在が聞き手に何を伝えているのかということを、客観的に眺めている自分がいます。
しかし、だからと言って、言葉に熱を込めないわけでも感情を込めないわけでもなく、
感情を込めつつもそんな感情を込めて話している自分自身を客観的に見ている。
言語化するとすれば、そんな状態です。
もちろん、そこまで最初から求めなくても良いですが、それができるようになればかなり人前で話す能力は上がっていくでしょう。
ただそれができるのは、普段からそういうトレーニングを積んでいるからなのです。
だから、私の場合、スキル的なものは一切使っていません。
普段から自然にやっていることの結果として話すことができるだけであって、自分にとっては本当に自然なことなのです。
4冊目の『自分の「武器」を見つける技術』に書きましたが、そういうものが「武器」なのであって、私はそれを武器としている人間なので、真似する必要はないですし、そんなトレーニングを普段からする必要もないかもしれません。
ただ、上手に話す、伝える、ということは本質的にはそういうものなのだということを伝えるために書いてみました。
役に立つか分かりませんが、そんな感じです。
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