頭では行動しないといけないことは分かっている。行動した方がいいと思ってる。
でも、どうしても心と体がついてこない。そんなとき、どうすればいいのか?
この記事では、頭では分かっているのに行動できない理由と対策について詳しく書いていきます。
実は、今回のようなお悩みにおいては、原因はいくつかあり得ます。
その原因についてこれから書いていくので、当てはまるものがあったら、そこに書かれている解決策についてぜひ試してみてください。
頭で分かっていても行動できない場合、主に、
・メンタル的理由
・肉体的理由
・脳科学的理由
の3つがあり得ます。それぞれ順番に見ていきましょう。
今回の内容は、以下の動画でも解説しています。
:【YouTube】頭では「しなきゃ」と思うのに、行動できない脳科学的理由
【記事を書いている人→ 池田潤 コーチ・メンタルトレーナー。20代で6万5千部のベストセラー含む5冊の本を出版(自分の武器を見つける技術、無愛想のススメなど)。900名以上が参加した心を鍛え整えるジム「イケジム」を運営。コーチ・トレーナーとして心の状態&パフォーマンスを最大化するサービスを提供。京大法学部合格後、ブログを書き始め、今に至る。趣味は、筋トレやボドゲ、読書。毎朝起きてカフェに行くのが日課】
行動できないメンタル的理由
頭では動きたいと思っているのに動けない理由の1つは、
行動内容が価値観と一致していないこと
です。
行動内容と価値観を一致させる
僕らは価値観(自分が重要だと感じていること)に対しては行動することができます。
価値観とこれから取る行動に【関連性】があるかが重要で、関連性が強ければ強いほど、その行動を取る確率を高まります。
例えば、推しのアイドルが地方でコンサートを開催するとします。
そのチケットがたまたま手に入ったとすれば、どんなことがあっても予定を空ける人もいるでしょう。
仕事で有給を取る、すでに予定が入っていてもキャンセルするなど。
人は価値観(重要であり価値があると感じること)に深く関連するものに対しては無限の行動力を発揮します。
一方、価値を感じないことに対しては行動を起こせません。
こういったシンプルな原則が働いていて、行動したい場合は、その行動と価値観の【関連付け】が必要です。
具体的な例として、僕の事例を紹介します。
僕は以前は全く運動をしていなかったのですが、
現在、平日は毎日ジムに行き、45分〜60分の有酸素運動、週3回の筋トレを習慣にしています。
それまでは全く運動習慣がなく、1日中パソコンに向かう日々を送っていました。
1日の歩く歩数は1000〜2000歩という壊滅的な状況で、実際に体力は低下し続けましたし、頭痛も多く、体調は最悪でした。
ただ、そのネガティブな経験がきっかけになり、自分の身体のことを考え始め、身体や運動の勉強をするようになりました。
勉強すればするほど、運動と体調向上が脳内で関連付けられ始めました。
それまでは運動と体調向上が関連づいていなかった、つまり、運動に対して価値観との関連づけがない状態でした。
だからこそ、運動をするべきだと頭ではわかっているけど、実際には運動を習慣にすることができない日々が続いていたのです。
その状況が変わったのは、「運動と体調向上(願望実現)が脳内で強く関連づけられたこと」が最大の理由でした。
「運動を続ければ、体力が向上し、体調は良くなり、睡眠の質も上がり、仕事がもっとできるようになる。仕事の量を増やせる。そうすれば、願望を実現し、夢を現実化できる。運動こそが自分の人生を切り開いてくれるのだ」
と考えられるようになりました。
運動や身体についての書籍を読み、YouTubeを観て、知識が触れるほど価値観との関連づけができるようになり、
その結果、運動する回数が飛躍的に増え、運動が習慣になりました。
今となっては何の抵抗もなく運動に取り組むことができていて、むしろジムに行けないのがストレスに感じるほどです。
取りたい行動を取れるようになるのに重要なのは、
その行動と自分の価値観の間に【強い関連性】を作ることです。
それができれば、【取るべき行動】を【取りたい行動】に変化させることができます。
行動それ自体を楽しむメンタルを持つ
価値観との関連付けができたら、
次は「行動それ自体を楽しめる」ように行動をデザインしていきます。
未来のために今歯を食いしばって頑張る
というスタイルでは、行動に取り組むことも、行動を継続することもできません。
そのスタイルを根本的に変容させていくことが、行動力を向上させる方法になります。
例えば、先ほどの僕の運動の事例をさらに深掘りすると、
有酸素運動を45分〜60分行っていると書きました。
ただ、45分〜60分間歩くだけというのは非常に暇です。
毎日するとなると、かなりのハードルの高さになります。
その時間を【価値観の力だけで頑張っている】かというと、そうではありません。
価値観の力も大いに使っていますが、それだけでは毎日の退屈な有酸素運動を耐えるエネルギーとしては足りません。
では、どうやって継続しているかというと、
歩いている間、映画を観たり、英語の勉強をしている
のです。
映画を観ることは好きな行動ですし、英語の勉強は価値観に関連づけられた行動になります。
歩く時間にそれらの行動を取るようにすることで、その45分〜60分間が『楽しい時間』や『価値ある時間』になります。
つまり、「今この瞬間楽しい」「今この瞬間価値がある」という感覚を日々感じることができます。
未来の喜びや未来の価値のためだけに頑張っているのではなく、
そのときその瞬間が楽しい、そのときその瞬間に価値がある、と感じるように行動をデザインしています。
ほとんどの行動できない理由は、今この瞬間楽しくないこと。
今この瞬間に価値を感じられないことです。
だからこそ、いかに「どうすれば今この瞬間を楽しくできるか」「どうすれば行動それ自体をしたいと感じられるか」という視点で行動をデザインします。
例えば、僕の場合で言えば、
・日々の情報発信自体を楽しむ(楽しめるやり方を選択する)
・好奇心をもって本を読む(新しいことを学ぶことを楽しむ)
・好きな海外YouTuberで英語の勉強を進める
・身体に良いもので好きなものを摂取する
・体に良いものを美味しく調理して食べる
などを意識しています。
全て、未来の喜びにつながる活動ですが、未来の喜びのために今を犠牲にするのではなく、
今この瞬間を楽しみながら同時に未来を良くしていくという意識で取り組んでいます。
すると、例えば情報発信は16年間継続できています。
このように「今この瞬間の行動を楽しめるようにデザインする」ことは行動力を強化する方法になるので、ぜひ意識してみていただければと思います。
ネガティブ思考を整えると行動できる
頭で分かっていても行動できないメンタル的理由。
次は、ネガティブ思考です。
ネガティブな思考がある状態では、頭ではやろうと思っても、身体がついてきません。
理想は、未来にワクワクし、自分にはできると思えていて、日々の取り組みに「やりたい!」という気持ちで取り組めること。
僕はメンタルを鍛える専門ジムを運営しているのですが、そこではその【状態】を手に入れるトレーニングを提供しています。
その状態になれば怖いものはなく、願いが叶うのは時間の問題になります。
では、具体的にどうすればネガティブ思考を変えていけるのか。たくさん方法があります。
ジムではその全てに取り組んでいただくのですが、ここでは2つの方法について紹介します。
ポジティブの記憶痕跡化
まず一つ目が、ポジティブの記憶痕跡化です。脳のシステム上、僕らはネガティブに注目しやすい性質を持っています。
そのままにしていると、どんどんネガティブな記憶が積み重なり、その記憶をもとに未来をイメージするようになります。
例えば、人間関係で嫌なことがあったら「また起こるんじゃないか」と考えてしまう。
すると、人間関係に一歩踏み出したいと思っても、感情や体がついてこなくなる。
感情や体は過去の記憶をもとに未来を考えるので、嫌なことが起こったらどうしよう、と考えるわけです。
結果、頭では「一歩踏み出したい、踏み出すべき」と思っているのに、身体がついてこない。
これが頭では分かっているけど動けないメンタル的理由です。
ここで大事になるのが、ポジティブを【記憶痕跡化】していくことです。
ネガティブな記憶をもとに未来を描いてしまうなら、ポジティブを強く記憶に残して、ポジティブな未来を描けるようにしてしまえばいいのです。
これは、メンタルトレーナーとして有名な西田文郎氏も著書「No1理論」などの中で勧めている方法で、100回マイナス思考が出てきたなら、101回ポジティブ思考をすればいい。
シンプルではあるのですが、非常に強力な方法です。
また、脳神経科学者の青砥瑞人氏も著書の中でポジティブ記憶痕跡化の効果について言及しています。以下、引用させていただきます。
「神経科学者であるウィル・カニンガムは、このような仕組みを受け、うまい表現をしています。
私たちの扁桃体は、ポジティブな感情の記憶もネガティブな感情の記憶も保存できます。しかし、私たち派の多くは『不機嫌な扁桃体(脳の部位)を持ち合わせている』と。
どういうことかというと、ネガティビティバイアスにより、脳に取り込まれる情報がネガティブに偏ることで、
扁桃体に書き込まれる記憶にネガティブなものが多くなり、結果「不機嫌な扁桃体」になってしまうということです。
しかしながら、意識を少し変え、注意の対象を変え、取り込む情報を変える、すなわち世界の見え方をポジティブな情報に変えたなら、
あなたの扁桃体に刻まれる情報は喜びや楽しさが増え、「ご機嫌な扁桃体」になっていくでしょう。
HAPPY STRESS 青砥瑞人 SBクリエイティブ」
つまり、意識的な取り組みによって脳そのものをポジティブにしていく。それが有効であり可能だということです。
そのことがエビデンスベースで明らかになっているわけですが、僕自身の経験でも間違いなく効果があると言えます。
ジムでは毎月オンラインでのトレーニングを行っているのですが、まさにポジティブの記憶痕跡化も非常に重要なトレーニングとして実施しています。
結果、トレーニングへの参加率が高いほどメンタルの向上スピードが早いということがわかりました。つまり、ポジティブの記憶痕跡化を実践していけば、「行動できる自分」になることができるということです。
自己肯定感の向上
さらに、自己肯定感の向上も非常に重要になります。
というのも、行動できないのは「うまくいかないときのダメージが大きい」ことが原因になっていることも多いからです。
自己肯定感が上がれば、そもそも自分の価値を自分で認めている状態になります。
それはつまり、結果にメンタルを左右されにくくなるということです。
例えるなら、防御力が高い、ということですね。メンタルの防御力が低いと、一つ一つの結果にダメージを受けすぎてしまいます。
すると、心が疲れてしまって、やる気は低下し、未来を恐れるようになります。
ですが、防御力が高い状態であれば、ダメージを受けないのでグングン前に進むことができます。ダメージを受けないことを分かっているので、未来への恐れもありません。
つまり、自己肯定感が高いと行動力が上がるんですね。
では、具体的にどうすれば自己肯定感を上げることができるのか?
下記の動画でも解説していますし、
こちらの記事にも詳しく書いているので、ぜひ読んでみてください。
【自己肯定感の高め方】自己肯定感が下がる真の原因と上げる方法
行動できない肉体的理由
次に身体的理由について見ていきます。まずぜひチェックしていただきたいのは、
・睡眠の量と質は十分か?
・肩こりや腰痛など極度の体の凝りやダルさはないか?
・栄養は足りているか?
・運動不足になっていないか?
です。
人間の欲求というのは、原始的なものほど強くなります。睡眠欲、食欲。こういったものが満たされていないと、他のことに意識を向けられません。
徹夜した翌日に目標に向かってバリバリ行動できるかというと、厳しいですよね。どれだけやりたいことでも、心から実現したくても、頭では分かっていても、動けない。
ともかく眠い。まずは眠らせてくれ、と感じます。
「まず〇〇させてくれ」
と体が叫んでいる状態では、僕らは行動できないのです。
やりたいことかどうか、本当に実現したいかどうかの前に、睡眠不足の場合は、眠ること。栄養が足りないなら、栄養を取ること。
もちろん、短期であれば睡眠が不足していても、栄養が不足していても、何とか気合いで頑張れるでしょう。しかし、その後、燃え尽きてしまいます。
燃え尽きるとは、自分の内側からエネルギーがなくなってしまった状態。まさに「頭で分かっていても行動できない」状態の極端なケースです。
内側のエネルギーがなくなると、動けない。なので、内側のエネルギーをまず補充してあげましょう。
僕はコーチングやメンタルを鍛えるジムを運営提供しているのですが、クライアントさんの中には栄養やエネルギー源を積極的に補給するだけで行動できるようになった人も多数います。
睡眠、食事はエネルギーの源です。頭では動きたいのに動けないときは、エネルギー源が足りているかどうかをまずはぜひチェックしてみてください。
さらに、運動も重要です。様々な研究で、運動すればやる気が出ることが証明されています。心と体が「ついてくる」状態になるのです。やる気の土台を上げてくれます。
わかりやすく数字で表すなら、0〜10までやる気があるとして、普段の状態が1だったとします。運動すると、そのベースの状態、普段の状態が、2、3、4という形で上がっていくのです。やる気のベースを高めてくれます。
なので、「なんとなくやる気が出ない…」ことが多い場合は、有酸素運動をすることでやる気のベースを高めてあげることが有効です。
運動すると脳が働き、脳が成長します。脳のコンディションを整え鍛えてあげることで「そもそもやる気が出やすい自分」になっていけます。
また運動することで体の凝りを取れます。筆者も肩こりが以前はものすごくて、よく頭痛がしていました。肩こりや首こりで頭痛のある状態では、行動できません。
頭では行動すべきだと思っていても、動けない。文章を書けない。仕事のことを考えられない。そういう時期がありました。
そのとき動けなかった原因は、明確に「肩こり」でした。
肩こりなどの肉体的負担があると、僕らは頭では分かっていても動けない状態になるんですね。そこから運動を始め、ストレッチを始め、マッサージガンを使い、とにかく体をゆるめることに本気を出しました。
すると、ものすごく体が楽になって、自然に行動できるようになりました。
僕にとっての行動とは例えば「文章を書くこと」になるわけですが、体の凝りを取ってから一気に文章量が増え、それによって提供できる価値が増え、結果的に収益も増えました。
もし体の凝りがあるという場合は、ぜひ優先的に体を動かしたりゆるめてあげてほしいと思います。
行動できない脳科学的理由
では次に、脳科学的要因についてです。
僕らの脳には「神経回路」というものがあり、使い込んだ神経は強く太くなります。
逆に、使っていない神経は、現状を維持するのではなく、プルーニングと言って「刈り取られて」いきます。
つまり、使っていない神経は、どんどん衰退し失われていくのです。
強く太くなった神経は、スムーズに連動し動きます。つまり、簡単に行動できる。
しかし、衰退し失われた神経はうまく連動できず、なかなか動かない。
つまり、行動するのが難しくなるのです。
例えば、誰でも良いのですが、起業家の方や、「あの人は行動力がすごいなあ」という人っていますよね。
彼彼女らの脳で何が起きているかというと、行動することで脳の神経を使い、使え使うほど鍛えられていったのです。
筋トレで例えるなら、何度も重いダンベルを持っていたら、筋肉がついてきて重くなくなりますよね。どんどん重いダンベルを持てるようになります。
例えば、30キロのダンベルだってひょいひょい上げられるようになる。
それは客観的に見れば「大変そう」に見えますが、本人からすれば筋肉がついているので「別に軽いよ」という感覚なのです。
脳の神経回路を使ってきたことによってすごい行動量をこなせている人がいたとして、
客観的に「すごい行動量。大変そうだな」と感じたとしても、彼彼女からすれば「特にしんどいくない。別に普通」という感覚なんですね。
それは、脳が行動することに慣れているからです。
何度も何度も神経回路を使ってきたので、慣れていて、当たり前のようにそれができる。
逆に、頭では分かっているけど行動できない分野は、「まだ慣れていない」分野ではないでしょうか?
慣れていないとは、脳の神経回路が発達しておらず、うまくできないと感じている状態。
だからこそ、結果に対する不安、うまくできないのではないかという不安も生まれやすくなります。
その不安は行動しないという選択につながりやすくなります。
もし仮に長期に渡って行動しないことを選択してきた場合。
脳の神経回路は不要な回路はプルーニング(刈り込み)を行いますから、神経がなくなっていく、つまり行動することが苦手になっていくんですね。
苦手なので、行動しないことをさらに選択しやすくなります。すると、さらに神経は使われなくなり、さらに神経がなくなり、どんどん行動できない自分になっていくということです。
解決策として大事なのは、「少しずつ脳の神経回路を使っていく」こと。
つまり、ほんの小さなことからでいいので行動してみることです。これは「できそう」なことからで構いません。本当にそれで十分です。
例えば、家の掃除をしてみる。本を読んでみる。散歩に出かける。軽い筋トレをしてみる。そうやって、行動するというトレーニングを少しずつ積んでいく。
すると、以前はしんどさを感じていた行動がだんだんと楽になっていきます。脳の神経回路が発達したのです。
それを続けていけば、自分が本当にやりたいことに対しても楽に行動できるようになっていきます。
僕の発信のメインはメルマガです。下記の無料メールトレーニング講座でより本格的な内容を発信しています。無料ですので、興味ある方は下記からご購読ください。
:【より本格的にメンタルを学べる】無料メールトレーニング講座はこちら
30分間の無料体験セッションにて、あなたに合わせた解決策の提案を行います。興味ある方は下記からお問い合わせください。
:【30分で解決策を提供】無料体験パーソナルセッションはこちら
LINE@でも最新情報、LINE限定コンテンツを随時配信中です。
YouTubeもやっています。
noteも書いています。
:note文章版メンタルトレーニング「自信を鍛えるメントレ」
本も出版しています。
こちら韓国でも出版されました。
「無愛想のススメ〜人間関係が劇的に改善する唯一の方法〜(光文社)」 発売4日で増刷!