この記事では、
自分の機嫌を自分で取る方法
について、心理学&脳科学の知見をもとに、今日からできる具体的で科学的な方法について解説していきます。
【記事を書いている人→ 池田潤 コーチ・メンタルトレーナー。20代で6万5千部のベストセラー含む5冊の本を出版(自分の武器を見つける技術、無愛想のススメなど)。1000名以上が参加した心を鍛え整えるジム「イケジム」を運営。科学的に効果が実証されている方法でクライアントをサポート。コーチ・トレーナーとして心の状態&パフォーマンスを最大化するサービスを提供。京大法学部合格後、ブログを書き始め、今に至る。趣味は、筋トレ・ゲーム・読書】
現代における「自分の機嫌を取る」ことの重要性
現代社会ではストレス要因が多く、感情を上手にコントロールすることがますます重要になっています。
例えば仕事の場面では、感情のコントロールが円滑なコミュニケーションや問題解決力を高め、組織にも良い影響を与えます 。
一方、プライベートでも感情を自分で整えられればストレスや不安が減り、人間関係を築きやすくなり、充実した人生につながります heartfullife.jp。
つまり「自分の機嫌を取る」スキルは、仕事でも家庭でも精神的な安定と幸福の土台になります。
実際、自分の機嫌を自分で取れないとどうなるでしょうか?
イライラや落ち込みを他人にぶつけたり、「誰かに励ましてほしい」「わかってほしい」と過度に求めたりしてしまうかもしれません。
もちろん人に頼ること自体は悪いことではありません。
ただ、自分の機嫌を他人任せにしすぎると人間関係の負担になり、自立した行動も難しくなります。
多くの人にとって、日々のストレスに振り回されず機嫌良く過ごすためには、
自分で自分の心をケアする力が不可欠です。
「自分で自分の機嫌を取る」とは何か
「自分で自分の機嫌を取る」とは、簡単に言えば自分の心の状態を自分でコントロールすることです 。
他人からの評価や働きかけに一喜一憂するのではなく、自分の内側で発生する感情や考え方を自分の力で整える。
心理学では、物事の結果を自分の行動次第と考える「内部ローカス(内的統制)」を持つ人の方が、ストレスに強く精神的に安定しやすいとされています verywellmind.com。
実際、内的なコントロール感が高い人は感情の安定性が高く、
逆に外部要因に振り回されがちな人は無力感に陥りやすい(いわゆる学習性無力感)とも言われます。
では「自分で機嫌を取る」具体的には何をすることなのか?
自分の思考や心の中の言葉(セルフトーク)やイメージを自分でコントロールすることです。
例えば嫌な出来事があったとき、他人に慰めてもらえなくても自分で「まあ何とかなるさ」と前向きに切り替えたり、
不安なときに「自分なら大丈夫」と自分で自分を励ますことができる。
自分自身に対する解釈の仕方を工夫し、外部から何も支援がなくても心のバランスを保てる状態を指します。
自分の機嫌を自分で取れる人とは感情の主導権を自分が握っている人です。
他人からネガティブなことを言われても必要以上に落ち込まず、「それはあなたの意見で、自分はこう思う」と受け流せる強さを持っています。
反対に「自分の機嫌を取る力」が弱いと、周りの評価次第で気分が上下し、「誰かに認めてほしい」「構ってほしい」という他人任せな状態に陥りがちです。
自分の機嫌を自分で取ることは、そうした外部要因に左右されないメンタルの自立と言えるでしょう。
心理学・脳科学が裏付けるセルフメンタルケアの効果
自分で自分の機嫌を取ることの有効性は、心理学や脳科学の観点からも裏付けられています。
例えば心理学の「自己決定理論」では、人間は自分で物事を選択・決定することでやる気やパフォーマンスが向上するとされています。
実際、最新の脳科学研究でも「自分で選択する」という行為そのものが脳を活性化し、
モチベーションを高め、結果的にパフォーマンスを向上させる**ことが明らかになっています note.com。
自分の感情を自分でコントロールする行為も、まさに「自分で選択する」行為の一つです。
他人や環境に流されず自分の心を自分で決めることで、脳の前向きな働きを引き出せるわけです。
さらに、自分で機嫌を取れる人はそうでない人に比べて精神的な安定度が高く、不安や落ち込みに強い傾向があります。
「自分の努力で状況を変えられる」という信念があるため、困難に直面しても無力感に陥りにくいからです。
一方、何でも「自分にはどうしようもない」と感じる人はストレス状況で不安や抑うつを感じやすいことが研究で示されています(※内的統制感とメンタルヘルスの関連研究より)。
脳科学の面から見ても、自分で気分を調整することにはメリットがあります。
例えば「自分の行動で気分を整える」ことで言うと、
朝に15分程度の散歩をするだけで、脳内のセロトニン神経が活性化し、安定した幸福感を得られることが分かっています。
意図的に行動を選択することで、自分の気分を自分で上げることができているわけですね。
セロトニンは心の安定に寄与する神経伝達物質で、日光を浴びたり適度に体を動かしたりすることで増やすことができます。
また、人とのポジティブな触れ合いで分泌されるオキシトシンという物質も重要です。
オキシトシンは相手とのスキンシップや信頼関係で脳内に放出され、ストレスの低減や心身の癒やし効果をもたらすことが科学的に示されています。
たとえばペットを撫でるだけでも飼い主にもペットにもオキシトシンが分泌され、お互いのストレスが軽減されます。
自分の行動で脳内ホルモンを上手に働かせれば、他人任せにせずとも自分で気分を良い方向に導くことができます。
そして忘れてはならないのが自己受容(セルフアクセプタンス)の力です。
自分で自分の機嫌を取る土台には「ありのままの自分を受け入れる」姿勢が不可欠。
他人に認めてもらえなくても「自分は自分で大丈夫だ」と思える心のことですね。
この自己受容や自己肯定感が高まると、ストレスや不安への耐性も上がることが研究で報告されています psychologytoday.com。
実際、自己批判ばかりしていると落ち込みやすくなりますが、失敗しても「そんな日もあるよ」と自分をいたわる自己コンパッションを持てれば心の回復力(レジリエンス)が高まります。
脳科学的にも、自己肯定的な思考は脳の報酬系を刺激してポジティブな感情を生み出しやすくなると言われます。
つまり、自己受容とポジティブ思考という内なるメンタルケアが、結果的に自分の機嫌を安定させてくれるんですね。
自分で自分の機嫌を取るための具体的な方法
では、実際に自分の機嫌を自分で取る力を高めるにはどのような方法があるでしょうか?
ここでは論理的かつ実践的なアプローチを5つ紹介します。
専門家も推奨する基本ステップは、
「①自分の感情に気づき、②原因を理解し、③対処法を実行する」という流れです。
このステップを踏まえつつ、今日から試せる具体策を見ていきましょう。
方法1:自分の感情に気づき、原因を見極める
第一歩は今の自分の感情状態に気づくことです 。
忙しい日々の中で意外と自分の心の動きを見落としがちですが、
「なんだかイライラしているな」「今不安な気持ちだな」とラベル付けするだけでも感情は客観視しやすくなります。
そしてその感情の背景にある原因を探っていきます。
「寝不足で疲れているのかもしれない」「◯◯さんの一言が引っかかっているのかな?」といった形で、
自分の機嫌を乱している正体を突き止めます。
心理学ではこの自己観察によって問題の原因を把握することが、適切な対処の出発点になるとされています heartfullife.jp。
もし難しく感じる場合は、紙に書き出すのも有効です。
「なぜ私は今機嫌が悪いのか?」と問い、自分の感じていることや考えていることを書いてみると、頭の中が整理され原因が見えてきます。
例えば「仕事でミスをした自分に腹が立っている」「将来への不安で落ち着かない」など、
感情の裏にあるニーズや心配事が分かれば対処の糸口も掴みやすくなります。
自分の感情に気づき原因を理解することで、「何となく不機嫌」を減らし、次のアクションに繋げる準備が整います。
方法2:ネガティブな思考を前向きに切り替える(ポジティブなセルフトーク)
感情の原因に気づいたら、次に思考のコントロールを行います。
私たちの脳は放っておくと否定的な方向に物事を考えてしまう傾向がありますが、それに気づいて意識的に修正することが大切です 。
具体的には、湧き上がったネガティブな考えをそのままにせず、
前向きで建設的な考えに置き換える「リフレーミング(認知の枠組み直し)」を練習します heartfullife.jp。
例えば、「プロジェクトで失敗して自分はダメだ」と落ち込んでいるとき、その思考に気づいたら、
「今回はうまくいかなかったけれど、学びがあった。次に活かそう」と前向きな言葉に言い換えてみます。
自分の心の中の対話(セルフトーク)を意識的にポジティブな方向に切り替えていきます。
このとき大事なのは無理やり楽観することではなく、「事実を踏まえつつもより建設的な解釈を選ぶ」ことです。
事実は変えられなくても解釈の仕方は選べます。
たとえばミスをした事実は同じでも、「だから自分は成長できる」と考えるか「だから自分はダメなんだ」と考えるかで気分は大きく変わります。
加えて、自分に対する期待値を適切に調整することもポイントです。
完璧主義で自分を過度に責めてばかりいると機嫌は改善しません。
そうではなく「人間だから失敗することもあるよね」と現実を受け入れ、必要以上に落ち込まないよう自分に優しい視点を持ちましょう psychologytoday.com。
セルフトークで「大丈夫、次はうまくやれる」「これくらい大した問題じゃない」といった励ましを習慣づけると、徐々にネガティブ思考のクセが緩和されていきます。
こうした認知の切り替えこそ、自分の機嫌を自分で取る根本的な方法になります。
方法3:環境や行動を整えて気分をリセットする
心の中だけで対処しきれないときは、環境や行動を変えることで気分転換を図るのも効果的です 。
人間の心と体は密接に繋がっているため、身体を動かしたり五感に働きかけたりするアプローチで機嫌を改善できます。
たとえば、ストレスを感じたら一旦その場を離れて散歩をするのがおすすめです。
朝15分のウォーキングはセロトニンを増やし、心を安定させる効果があります diamond.jp。
日中でもオフィスの外を少し歩くだけで気分転換になり、モヤモヤした頭がクリアになります。
運動までいかなくても、深呼吸を数回ゆっくり行うだけで自律神経が整い、気持ちが落ち着いてきます。
また、自分にとって心地よい環境を整えることも有効です。
部屋の掃除や片付けをしたり、好きな音楽を流したり、アロマを焚いてリラックスするのも良いです。
仕事中であればデスク周りを整理したり、温かい飲み物を飲んだりして小休憩を入れるだけでも感情のリセットに役立ちます。
さらに、趣味やリラックスできる活動に没頭する時間を持つのも効果的。
好きな映画を見る、お風呂にゆっくり浸かる、日記を書く、ヨガやストレッチをする――こうした行動は脳に心地よい刺激を与え、嫌な気分をいったん脇にどけてくれます。
自分なりの「気分転換リスト」を作っておき、不機嫌なときに意識的に実践してみてください。
ただ漫然と過ごすよりも、「今は○○してリセットしよう」と行動を選ぶだけでも主体的に機嫌を取る第一歩になります。
方法4:自分を受け入れ、前向きなビジョンを描く
機嫌を自分で良くするためには、日頃から自分自身に対する前向きな前提を育てておくことも重要です。
具体的には「自分の人生はきっとうまくいく」「自分は大丈夫だ」と信じる気持ちを養うことです。
これは決して根拠のない自信過剰になるという意味ではありません。
小さなことでも構いませんので、自分の長所やこれまでの成功体験を認め、
「自分は価値のある存在だ」「これから先もきっと乗り越えていける」というポジティブなセルフイメージを持つよう意識します。
こういった前向きなビジョンは、落ち込んだときに自分を引き上げる強力な支えになります。
他人がどう評価しようと、「自分は自分を信じているから大丈夫」と思えるだけで心の安定感が違います。
実際、「機嫌が良い状態」とは裏を返せば「自分の未来を信じられている状態」だとも言われます。
不安でいっぱいのとき、人は機嫌良くはいられません。
だからこそ、自分なりの未来への希望や目的を持つことが、自分の機嫌を取る土台になります。
加えて、ありのままの自分を受け入れる(自己受容)態度も培っておきましょう。
完璧でない自分、弱い部分も含めて「それも自分だ」と認めることです。
自己受容ができている人は、他人に否定的なことを言われても「そういう意見もあるね。でも自分は自分で大丈夫」と受け流せます。
自分を受け入れている安心感があるため、周りに振り回されず機嫌を保てるんですね。
自己受容は一朝一夕に身につくものではありませんが、日々「これが今の自分だ」と事実を認める練習をすることで徐々に高まります。
瞑想やマインドフルネスなどで自己観察する習慣も自己受容に役立ちます。
方法5:周囲に上手に頼り、前向きな人間関係を築く
自分で自分の機嫌を取るといっても、決して孤立したり何もかも一人で抱え込む必要はありません。
大切なのは「他人に頼りすぎず、しかし必要なときには上手に頼る」というバランスです ike-jun.jp。
誰しも一人では生きられませんし、つらいときに人の助けを借りるのは自然なことです。
信頼できる人に話を聞いてもらったり、相談したりすることで気分が楽になるなら、適切にそれを活用しましょう。
それも含めて主体的に自分の機嫌を整える手段の一つです。
重要なのは、他人任せではなく自分から働きかけること。
例えば、「誰か慰めてくれないかな…」と待つのではなく、自分から信頼できる友人に連絡を取ってみる。
「話を聞いてほしい」と素直に伝える。
あるいは思い切って専門のカウンセラーやメンタルトレーナーの力を借りるのも立派な自己調整です。
自分の不調を放置せず、他者の力も積極的に借りて改善しようとする姿勢は、結果的にあなた自身が主導権を握って機嫌を取っていることになります。
また、普段から前向きな人間関係を築いておくことも機嫌を良く保つ秘訣です。
心理学者の研究によれば、人に親切にしたり感謝したりといったポジティブな交流をすることで、自分自身の幸福度やストレス耐性が高まるとされています diamond.jp。
他人を励ます言葉をかけたり、笑顔で接したりすることは、その相手だけでなく自分の脳にも良い影響を与えます。
実際、誰かとハグしたり手をつなぐなどスキンシップをするとオキシトシンが分泌され、お互いの心拍数が落ち着きストレスが和らぐことが分かっています。
このように周囲とポジティブな関係性を育むことは、自分で自分の機嫌を取る力を間接的にサポートしてくれます。
まとめ:自分の機嫌を取る習慣で人生を豊かに
自分の機嫌を自分で取れるようになると、毎日をより安定した前向きな気持ちで過ごせるようになります。
その結果、ストレスに強くなり verywellmind.com、人間関係でも他人に振り回されることが減り、自分のやりたいことに集中できる時間が増えます。
仕事の場でも、感情が安定していれば冷静な判断力を保ちやすくなり、生産性や創造性の向上にもつながります。
まさにメンタル面の自己マネジメント力が高まることで、人生全般のパフォーマンスが底上げされるのです。
最後に、自分の機嫌を取る力は一度身につけて終わりではなく、日々の実践で少しずつ育てていくものです。
最初はうまくいかなくても問題ありません。
紹介したように感情に気づき、考え方を調整し、行動でリセットし、自己肯定しつつ、人の力も借りる――これらを繰り返すうちに、だんだんと自分の心の扱い方がわかってきます。
自分の機嫌を自分で取れるようになることはメリットが非常に多いです。
他人任せの感情から卒業し、ぜひ今日からセルフケアの習慣を始めてみてください。
自分の心を自分で整える習慣は人生を今まで以上に豊かで実りあるものにしてくれます。
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