なぜ高額コーチングでも変われないのか?【マニュアルと流派の限界】

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ここ最近、立て続けに、

「高額のコーチングを以前に受けたのだけど変われなかった」

という方達が相談に来てくださいました。

ちょっとこれはさすがに書いた方がいいなと思ったので、その原因について書いていきます。

努力の方向性こそが重要


それぞれの手法は、単体で見たときに素晴らしいものです。

手法自体に問題は全くありません。

 

ただ、それが、

その人にベストなアプローチかどうか

は深く考える必要があります。

 

その人の現状に即していないアプローチ法を取ってしまえば、どれだけ頑張っても成果は出ません。

努力することの前に、努力の方向性こそが重要です。

 

僕は【判断こそ大事】と言っています。

 

方法自体を知ることは誰でもできる時代です。

ですが、

「どの方法で取り組むべきか」

の判断はめちゃくちゃ難易度が高いです。

 

受講者は専門家ではないので、その判断ができるわけではありません。

判断が難しい中で、今話題になっている人や情報を見て、判断が難しいからこそ有名なものや知名度があるものを選ぶ。

でも、そもそもその選択自体が本当にベストなものなのかどうか。

そこに難しさがあるということです。

 

そして、そこを間違ってしまえば、

残念ながら成果は出ません。

 

例えば、有名なコーチングの手法で、

現状の外側にゴールを設定する

など、自己効力感を高めてゴール達成するものがあります。

 

それ自体が優れた手法であることに疑いの余地はありません。

極めて有効に機能するケースはもちろんあります。

 

ただ同時に、

研究によって、むしろ悪影響が出る人も存在することが報告されています。

 

研究自体はたくさんありますが、特に有名なところだと、

ドイツの心理学者カルステン・シェルムリー教授らの研究です。

彼らの研究によれば、多くのクライアントがコーチング過程においてネガティブな影響を経験していたことが報告されています。

 

具体的には、

精神的苦痛、気分の落ち込み、自己不信の増大、人間関係の悪化、プレッシャー増加

などが挙げられています。

 

そして他の心理学研究では、

高すぎる理想のゴールが、場合によっては強い心理的ストレスの原因となり、

「なぜ自分はできないのか」

「やはり自分はダメな人間だ」

といった自己否定や自分責めが起こりやすくなる、といったことがあります。

その結果、バーンアウトや抑うつ状態に繋がる可能性が指摘されています。

 

また、あまりにも結果重視になることで結果で自分の価値を判断するようになってしまい、

日々の行動(プロセス)に対する幸福度や充実感が急落。

「行動できているけど、つらい」

「結果は出たけど、しんどい」

という状態に陥る可能性があることが学術分野から指摘されています。

 

さらに、人間は自分のメンタルを保つという目的で、あえて心理的盲点(スコトーマ)を作っている面があります。

しかし、コーチが強力なフィードバックなどによって無理にスコトーマを外そうとすることで、

向き合い切ることができずにメンタルが悪化することがあります。

流派という枠組みの限界


これはコーチングだけに限らないのですが、

・流派という枠組みの限界

が存在すると僕は考えています。

 

例えば、クライアントが「行動できない」という状況に陥った時、認知科学コーチは、

「未来への臨場感が足りないのだ」

「自己効力感が低下しているからです」

と言うでしょう。

 

しかし、本当にそうでしょうか?

そうである場合もあるし、そうではない場合もあるというのが現実です。

 

行動できない原因は多岐にわたります。

 

プライベートの人間関係で何かがあったかもしれない。体調が悪いのかもしれない。

睡眠の問題を抱えているかもしれないし、

他者評価が気になるという心理的課題を抱えている可能性も十分にあります。

自己効力感の前に自己肯定感や癒しが必要な方もたくさんいます。

 

でも、何かの流派に属していると、

クライアントの課題をその流派の枠組みの中で解決しようとする

ことになります。

 

コーチ自身の脳に「自分の手法にこだわる」というスコトーマ(心理的盲点)が発生している状態です。

 

そこをメタ認知することが大事ですが、

ただ、メタ認知したとしても組織に属しているわけなので、他の観点でアドバイスできるわけでもないという難しさがある。

 

これが【流派の限界】です。

 

〇〇心理学など、全てのものに当てはまります。

それぞれが素晴らしく、価値あるものであることは疑いようもありません。

多くの流派がこの世界に素晴らしい知見と気づきを与えてくれていて、

僕自身、そのことに深い感謝の気持ちを持っています。

 

しかし、もしクライアントが抱える課題が、その流派の枠組みの中で解決できるものではなかった場合。

それでも、その流派の枠組みの中で解決しようとしてしまいます。

 

理由は、組織に属するコーチやカウンセラーは、その組織のマニュアル通りに対応することしか許されていないからです。

その手法で解決できると信じたい、という気持ちも働きます。

 

本来はこれら全てに意識的で、メタ認知できていて、言語化できていることが必要です。

しかし実際には、こういったところまでメタ認知し、自覚し、コントロールできているケースは残念ながら非常に少ないです。

 

その結果、

受講者にとってベストなアプローチ法を提案できない

という状況が起こります。

 

これが、

成果が出ないセッション

です。

 

具体的には、

・土台ができていないのに無理に行動を促す

・自己肯定感の問題なのに自己効力感を高めようとする

・フィジカルの問題なのにメンタルだけに注目する

・行動が必要な分野なのに過去だけ扱う

のようなミスマッチが起こるということです。

 

本当に必要なのは、分断されたアプローチではなく統合アプローチです。

自己肯定感だけ。自己効力感だけ。

過去だけ。未来だけ。

感情だけ。行動だけ。

そうやってそれぞれの分野を細分化し分断していること自体に限界があります。

 

フィジカル(睡眠・運動・食事)を整えながら、

過去の傷を癒やし、自己肯定感を高め、

その上で価値観に基づく未来のゴールを描く

 

こういった統合的アプローチができるという前提で、

あらゆる観点から受講者の状態を判断し、

適切なアプローチを【判断】していく。

 

単一のアプローチ法しか取れない場合、

そのアプローチがたまたまバッチリ合う人だった場合には成果が出ますが、

そうでない場合、成果が出るどころか、

逆に苦しくなることまで起こり得ます。

 

(良心的なところは、あなたはうちの手法には合っていないと思います、ということでお断りすることがあります。それは対策として非常に有効です)

 

大事なのは、

あなたにとってベストなアプローチを選択すること

です。

 

その【判断】が何より大事です。

 

その人の現状に合うステップを着実に実行していくことさえできれば、

人は本当に良くなっていきます。

 

過去にうまくいかなかったとしても、それはあなたに能力がなかったからではありません。

単にアプローチ法とのミスマッチがあっただけです。

 

ぜひそんな観点も押さえておいてもらえればと思います。

今回は以上です。

 

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