サッカーオリンピック代表藤春選手のオウンゴールに思うこと

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サッカーリオオリンピックで、オーバーエイジ枠として選出されて出場した左サイドバック藤春選手がコロンビア戦で痛恨のオウンゴール。

観ていたときは衝撃というか驚いてしまって、どう考えても責任は藤春選手にある、という状況だった。

結局、試合は2−2の引き分けで、勝利することはできなかった。藤春選手のオウンゴールがなければ勝てていた、と考えることもできるような結果。

 

これは大変だろうなあ、と思っていると、

案の定、ネット上では藤春選手を責める人たちが出てきているようだ。

まあ、基本的にサッカーを観る方は完全な娯楽であって、どういう反応があろうがいいし、

「わー!何やってんだあいつ!!」とか言いながら観るもの。

阪神戦を観ている大阪の親父が「鳥谷あかんなー!!」と言っているのと同じ。

そういうものだよねと認めた上で(ただネット上でのネガティブ拡散は度が過ぎる)、少し思ったことを書いていく。

 

ミスをした選手を責める。

実はこれほど簡単なことはない。

無意識に生きていれば、そうなる。

もちろん、オーバーエイジ枠として出場したのにとか、プロとしてどうなのかとか、色々と責めようと思えば責められるポイントはたくさんある。

 

ただ、よく考えてみれば、

藤春選手を責めることで何か良いことはあるのだろうか。

 

すでに藤春選手は自分を責めているだろうし、責任も感じているはず。

そこに追い打ちをかけるように責めたところで、生まれるものは何もない。

 

今はもう次戦のスウェーデン戦に勝つことが大事だし、

ミスをした選手を強く責めていれば、「これから出場する選手達の心理状態」はどうなるだろう。

「俺も失敗したら、ああやって責められるのだろうか」と恐れることになる。

それでは日本代表チーム全体に余計な緊張や不安が微妙に流れ、思い切ったプレーができないかもしれない。

藤春選手だって、余計な不安や恐怖と闘う必要が出てきているはず。

ミスしたとは言え、藤春選手は重要な戦力だ。

さらに、彼はA代表に選ばれることもある選手で、彼が今大会を通じて自信を失ってしまえば、日本サッカー界の損失であるとも言える。

彼を責めて、彼に自信を失わせて、良いことなど何もない。

今は、彼を含めたメンバー全員が持っている力を発揮することが重要なはず。

ただ、当然チームメイトや監督はよくわかっていて、決して藤春選手を責めようとはしなかったそうだ。

監督は、ミーティングで藤春選手を「いじった」らしい。

いじることで笑い変える。

空気を重いところから軽いものに変える。

もしも藤春選手のオウンゴールに一切触れることなく「腫れ物に触る」ように接していたとすれば、藤春選手のみならずチーム全体に微妙な空気が流れたはず。

「いじる」ことで空気を変える。監督は、意図的にそういった対処法を取ったのだと思う。

もちろん、サッカー日本代表を応援する日本国民にそれくらい「意識的な」行動を取ろうと要求するのは無理がある。

そういう意味で、代表チームというのはいつも無意識な人たちをいかにスルーして、無視をして、彼彼女らに無愛想になって、自分のメンタルコンディションを整えられるかということと闘っているのだと思う。

大変だが、それは当然のことと捉え、環境のせいにすることなく自分自身に集中することが大事だろうな。

自分が監督だったらどうするか。

そんなこともイメージしてみると、

藤春選手を「いじる」という選択は、最良の選択だったのではないかと思う。

 

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