<この会話はフィクションです>
「もしあのとき、もっと素直になってたらって思うとき、ないか?」
「なんですか、急に」
「質問に答えろよ」
「ありますよ、そりゃあ」
「例えば?」
「好きな子に気持ちを伝えていたら、とかそんなんですよ」
「ベタだな」
「もう何も話しません」
「悪かったって。拗ねんなよ。そうだよな。他にあるか?」
「なんでそんなこと聞くんですか?」
「いいじゃねえか。教えろ」
「うーん。なんか、ちゃんと謝れなかったときとかですかね。あとは、お礼を言うとか」
「なるほどな。なんで、そういうことができねえんだろうな」
「恥ずかしいからじゃないですか」
「恥ずかしい、か」
「自分の思ってることを言うのって、恥ずかしいものですよ」
「恥ずかしいって思って、それができないから、あのときああしとけば、って思うのか」
「多分、そうですよ」
「じゃあよ、恥ずかしいってのは損だな。俺たちは恥ずかしいから、損してる」
「まあ、そうなのかもしれません」
「でも、だからって恥ずかしいもんは、恥ずかしいもんな」
「そりゃそうです」
「恥ずかしいって気持ちは、変わらねえよな」
「はい」
「てことは、恥ずかしいまま、やるしかないってことか」
「そうしたいなら」
「恥ずかしくなくなってからやろうと思ってたら、多分人はやらねえんだろうな。で、あのときああしておけば、と思う 」
「…」
「そうだよ。恥ずかしいまま、やらなきゃなんねえ」
「さっきから、何の話をしてるんですか?」
「あのときああしておけばなんて思いたくないって話さ」
「何でそんな話を?」
「ほっとけ。お前には、まだわからねえ」
「え、教えてくださいよ」
「うるさい」
「ねえ」
「もう、何も話さん」
いけじゅんBARにもどうぞ。
いけじゅんBAR第4回「どうすればネガティブ状態から抜け出せるか?」
メルマガも書いてます。良かったら。