この記事では、メンタルトレーニングについて、その効果と方法を詳しく解説していきます。
【記事を書いている人→ 池田潤 コーチ・メンタルトレーナー。20代で6万5千部のベストセラー含む5冊の本を出版(自分の武器を見つける技術、無愛想のススメなど)。900名以上が参加した心を鍛え整えるジム「イケジム」を運営。コーチ・トレーナーとして心の状態&パフォーマンスを最大化するサービスを提供。京大法学部合格後、ブログを書き始め、今に至る。趣味は、筋トレやボドゲ、読書。毎朝起きてカフェに行くのが日課】
メンタルトレーニングとは?
メンタルトレーニングとは、メンタルを整えることで、
・メンタル状態の向上
・パフォーマンスの向上
・ゴールの達成
を実現するものです。
私たちはメンタル状態によって気分や感情が変わり、やる気にも影響が出ます。
日々のパフォーマンスをメンタルが左右しており、ネガティブになる、気分が低下する、といったことが起こると日常の幸福度もゴールの達成度も低下。
ゴールが達成できず、日々気分が優れないのはメンタルに課題がある場合が多いのです。
なぜメンタルを「トレーニング」する必要があるかというと、
脳の神経回路は実際に「使う」ことで鍛えられていくからです。
脳神経科学において、脳の神経には【Use it or Lose itの原則】が存在することが認められています。
【使えば鍛えられ、使わなければ衰える】という原則です。
例えば、ここにどうしてもネガティブに物事を考えてしまう人がいるとします。
それは脳神経科学的に見れば、過去から今に至るまで「ネガティブに考える神経回路を使ってきた」結果として、
神経が過剰に鍛えられてしまっていると考えます。
Use it or Lose itの原則に善悪はなく、ただ「使えば鍛えられる」という原則です。
ですので、ネガティブな気分になろうがどうなろうが、使った神経はどんどん発達していきます。
ただ、脳の神経には【可塑性】があることも証明されており、
今から新しい神経回路を使っていけば、新しい神経が鍛えられていきます。
この性質を利用して、物事の認知の仕方を整えたり、新しい環境や緊張する本番でも力を発揮できるようにしたり、仕事におけるパフォーマンスを向上させていきます。
具体的なメンタルトレーニングの方法
例えば、メンタル状態を向上させる際に、どういうトレーニングを行うかを紹介します。
トレーニングを紹介する前に、まずそもそもの脳の仕組みから説明していきます。
脳の仕組みを理解することで「何をしていけばいいか」も明確になるからです。
僕らの脳はできるだけエネルギーやカロリーを消費したくないと考えています。
なぜなら、その方が「生き残る可能性が高い」からです。
カロリーを体内に蓄えておくことで生存の可能性が上がります。
その結果、「過去と同じことを続ける」ことが基本になります。
物事の認知の仕方、受け取り方、生まれる感情も「過去のパターンと同じ」ようになりやすいのです。
さらに、脳には「ネガティビティバイアス」が存在し、ネガティブなものに反応しやすく、記憶に残りやすくできています。
これも、生き残る可能性を高めるためです。
危険なことに素早く反応し、危険なことを記憶に残しておけば、避けることもできますよね。
そうすれば、生存確率が高まります。
脳は生存するために進化してきたので、ネガティブに強く反応するようになったのです。
しかし、それが現代社会においては「メンタル状態の悪化」につながることがあります。
いつもネガティブなことを考えてしまったり、不安や心配で頭がいっぱいになったり。
そうなれば、少しでもリスクがあることを避けるようになるわけですが、
現代社会において小さなリスクを避け続けるとは、行動できないことを意味します。
すると、長期的に成長することができず、経済社会において、逆に生存確率の低下を招くことになることも。
また幸福度という観点からも、小さなリスクを避けることでやりたいことができなくなってしまい、幸福度が下がってしまうこともあります。
このように、私たちの脳には、
・過去と同じパターンを続ける
・ネガティブに注目しやすい
という特徴があるんですね。
だからこそ、「メンタルトレーニング」が必要であり、有効に機能します。
例えば、メンタルトレーニングとして行なっていくのは、
【自分の認知に気づき整える】トレーニングです。
自分自身の感情が低下したときに、
・自分は今、何にフォーカスして、何を考えているか?
に目を向けます。
すると、今感じている感情が【自分の認知】から生まれていることに気づくことができます。
多くの場合、その認知は過去の経験から生まれたものです。
過去の経験から生まれた認知や思い込みが、今になってある場面でネガティブに作用してしまっている状態。
その自分の認知に気づくことができれば、認知を整えていくことで感情を高めることができます。
例えば、
・やってみたいことがあるけれど、失敗したらどうしようと思って一歩踏み出せない
とします。その際、「失敗したらどうしようと考え不安な感情を感じている」ことに気づき、受け入れます。
その感情が悪いわけではないので、「ああ、今そうなんだな」と気づき受け入れるだけでOKです。
次に、その認知を整えていきます。
・結果についてはコントロールできるわけではないので、自分にできることに集中してやっていけばいい(コントロールできることとできないことを分ける)
・失敗やうまくいかないことと自分の価値は関係がない。うまくいかなかったからといって自分の価値が変わるわけではないし、人から認められるかどうかも自分の価値とは関係ない(自己関連づけを手放し、結果と自己価値を分離する)
・短期の結果よりも自分の成長にフォーカスしてみよう。うまくいくいかないに関わらず、必ず自分は成長することができる。であれば、やってみたいことをやってみる方がいいだろう(成長マインドセット)
のように認知を整えていけば、安心感を感じることができたり、やってみようかという気分になりやすくなると思います。
これが認知を整えるメンタルトレーニングです。
最初の段階では、「頭では分かるけど、そうは思えない」「感情がついてこない」という風に感じるものです。
それは仕方のないことで、過去から今に至るまでの考えやフォーカス、認知とは違うものになるので、まだ上記のように考える神経回路が発達していません。
トレーニングしていくことで少しずつそう思えるようになっていくので、根気強く継続していくことが大切です。
メンタル状態が低下しやすい場合というのは、何らかの認知の偏りや歪みが発生していることを意味します。
その認知の歪みがネガティブな感情を生むのです。
自分特有の認知の存在に気づき整えていくことができれば、メンタル状態は恒常的に向上し、そう簡単には低下しなくなっていきます。
そのトレーニングが続けていくことで、過去のパターンから抜け出すことができ、
ネガティビティバイアスにも支配されず、より良いメンタル状態を手に入れることができるのです。
生活習慣を整えることでパフォーマンスを上げる
この記事を書いている私自身が提供するメンタルトレーニングにおいては、
パフォーマンス向上を実現するために生活習慣を整えることも提案させていただくことがあります。
というのも、パフォーマンスを高めるとは脳の機能を向上させることであり、
脳の機能向上において「生活習慣」が果たす役割は非常に大きいからです。
例えば、最近多いのは、「回復や休息の時間がない」ことによって、自律神経のうちの交感神経が優位になっているケース。
交感神経が優位になると、脳が休まりません。
自律神経は様々な器官を司っているので、自律神経が乱れることで体調が悪化することもあります。
私が行うメンタルトレーニングにおいては、生活習慣についてもヒアリングさせていただき、
休息や回復の時間、運動量、食事内容まで含めて改善の提案をし、
脳の機能を正常に整え高めていくことでパフォーマンスを向上させていきます。
体の状態、脳の状態もメンタルには大きな影響があり、そこを改善することで脳の機能が向上。
結果、メンタルも向上する。
そういう意味で、生活習慣を整えることも広義の意味でメンタルトレーニングになってきます。
メンタルトレーニングでゴール達成を容易にする
さらに、メンタルトレーニングによって支援できるのは、ゴールの達成です。
例えば、心にある夢や願望を実現したい。仕事における数値目標を達成したい。恋愛や人間関係における理想を実現したい。
そういった方をサポートするのがメンタルトレーニングです。
例えば、願望を実現したいときには、
そもそも自分がどんな願望を抱いているか?
を明確にする必要があります。
ゴールの設定と言い換えてもいいでしょう。
ゴールの設定の際に最も重要なのは、
【自分の本音ベース】であること、【感情が強く動いていること】です。
例えば、願望についてイメージしたり話したりしたときに、
心震えるような喜び、深い感動、心が高揚するような感覚、真に安心感を感じる感覚があるかどうか。
頭で考えたものではなく、心が動く、ポジティブな感情が真に芽生えることが重要です。
そうでない願望やゴールというのは頭で考えたものであり、なかなか実現させることができません。
行動できないことで悩み、常にモチベーションの課題を抱えることになってしまうのです。
願望を明確にすることができ、強い感情を感じることができれば、基本的にモチベーションで悩むことはありません。
最低でもそのくらいまで状態を高めなければ、願望実現は難しくなります。
ゴール実現に向けた行動をしていく際に影響するのは、願望やゴールだけではありません。
・自己効力感(願望実現できると思える力)
・自己肯定感(無条件に自分を認められる力)
も非常に強く関わってきます。
自己効力感や自己肯定感が高ければ、ゴールに向かうプロセスを着実に進むことができます。
願望やゴールは、すぐに達成実現できるものではなく、長期的な取り組みの中で実現していくもの。
そのプロセスにおいては、うまくいかないことや失敗もあるでしょうし、結果が出ない時期が長く続くこともあります。
そんな中でも取り組みを続け、前向きなメンタルをキープし続けるためには、
・確固たる自己効力感
・安定した自己肯定感
の2つが必要になります。
【確固たる自己効力感】と【安定した自己肯定感】もメンタルトレーニングによって手に入れることが可能です。
例えば、自己肯定感の低さは多くの場合、「過去から培われた認知」から生まれています。
過去の経験によって「こうでなければならない」「こうでないと認められない」という風に思い込むことによって自己肯定感が低下してしまったのです。
ただ、結局、自己肯定感が低いとは、自己肯定感が下がる思い込みや認知を持っているということですので、
そこを整えていけば十分に改善が可能です。
改善するどころか、メンタルトレーニングの実践によって通常よりも高い状態になり、
自己肯定感の高さを自分の強みとすることも可能です。
自己肯定感が高いとは、
自分を無条件に認められていること
ですので、自己肯定感が低いとは「自分を認めるのに条件が必要になっている」状態を言います。
ですので、その条件にまず気づくこと。
そして、その条件が実は思い込みであることにも気づいて、新しい認知を少しずつ意識していきます。
少しずつ意識してトレーニングをしていくと、脳の神経回路が発達し、自己肯定感が向上していくのです。
自己効力感も同様に、専用のトレーニングがあり、そのトレーニングを行なっていくことで高まっていきます。
こちらの記事では【行動力】を高める具体的な方法について書いています。
【行動力をつける方法】科学が証明した圧倒的な行動力の手に入れ方
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