今回は「心の鍛え方」というテーマで書いていきます。
【記事を書いている人→ 池田潤 コーチ・メンタルトレーナー。20代で6万5千部のベストセラー含む5冊の本を出版(自分の武器を見つける技術、無愛想のススメなど)。900名以上が参加した心を鍛え整えるジム「イケジム」を運営。コーチ・トレーナーとして心の状態&パフォーマンスを最大化するサービスを提供。京大法学部合格後、ブログを書き始め、今に至る。趣味は、筋トレやボドゲ、読書。毎朝起きてカフェに行くのが日課】
心は鍛えられるのか?
まずそもそも心とは鍛えらるものなのでしょうか?
はい、鍛えることができます。
心を鍛えるというのは具体的には「脳を鍛える」ということです。
その脳には【神経可塑性】が存在することが証明されています。
可塑性とは「変化できる」ということ。
つまり、脳は何歳からでも成長変化できるもので、鍛えることができるということです。
それはつまり、心を鍛えることができる、ことを意味します。
実際、メンタルトレーナーとして活動する中で、クライアントが心を鍛えることによる実際の変化を目の当たりにしてきました。
具体的には、
・自己肯定感の向上によって、今まで落ち込む場面で落ち込みを感じなくなった
・会社を休職状態だったところから、気力が復活し、簿記2級に合格するところまで高い意欲と行動力を手に入れた
・体調不良になるくらい会社の上司とうまくいっていなかったが、今では強い信頼関係が生まれ、自分を助けてくれる存在になっている
など、数えきれないくらいの変化を目にしてきています。
では、心は具体的にどうやって鍛えていけばいいのでしょうか?
具体的な心の鍛え方
まずは理解しやすいように、体を鍛えることを考えてみましょう。
体を鍛えるとき、私たちが何をするかというと、体を使いますよね。
動いたり、重いものを持ったりすると思います。
すなわち、【負荷をかける】ということです。
その後、食事でタンパク質などを補給したり、睡眠時間を取ります。
その回復の時間の中で筋肉は強く大きく成長します。
すなわち、鍛えるとは、
【適切な負荷をかける】→【回復する】の反復である
ということです。
これは心、すなわち脳についても全く同じ。
心を鍛えるには、
【適切な負荷をかける】→【回復する】
を繰り返していくことになります。
このとき大事なのは、
・適切な負荷であること
・回復の時間が確保されていること
です。
例えば、筋トレで考えてみれば分かりますが、
自分の力に見合わない重すぎるダンベルを持ったり、あまりにも長時間走り続けたりすれば、どうなるでしょうか?
怪我をしてしまいますよね。
怪我をすれば、長期間筋トレや運動ができなくなってしまいます。
心について言えば、あまりにも強いストレスを抱えてしまう、無理をしすぎると、
怪我をするように脳の機能が低下し、状態が著しく下がってしまうということ。
鍛えていくときにも、強すぎる負荷、ストレスを自分に与えないことが大切です。
さらに、もし仮に、毎日毎日同じ箇所の筋トレを続けて、回復の時間を一切取らなければ、どうなってしまうでしょうか?
これまた、怪我をしてしまいます。
心も同じです。
心が不調を感じるのは、慢性的なストレスを感じたとき。
回復の時間がない【慢性的なストレスやネガティブな感情】が、心に怪我を負わせてしまうのです。
トレーナーとしての自分の仕事の一つは、
【適切な負荷】と【回復】のバランスを取り、その人にとってベストな負荷を設定することです。
適切な負荷とは具体的に何なのか?
回復とは具体的に何をすることなのか?
そのあたりを個別にアドバイス、提案させてもらっています。
心を鍛えるときのポイント
話を戻して、
心を鍛えるとは、
【適切な負荷をかける】→【回復する】の反復
です。
心の状態が低下していたり、なかなか変われない、心がいつまで経っても強く安定しないと悩むときは、
・負荷が足りない
・回復が足りない
のいずれかになります。
日頃から疲れを感じている場合には回復が必要になりますし、
長年に渡って課題が解決していない、心が強く安定しない場合には、負荷が足りないケースも多くあります。
負荷をかけるとは、
脳の神経回路を使う
ことを意味します。
私たちの脳には【Use it or Lose itの原則】があります。
【使えば鍛えられ、使わなければ衰える】という原則です。
ですので、脳の神経を使えば使うほど、適切な負荷をかければかけるほど、鍛えられていくんですね。
例えば、ここにコミュニケーションに苦手意識を感じている人がいるとします。
苦手意識を持つと、人は【回避】の傾向を持つようになります。
つまり、コミュニケーションの機会をできる限り避けるようになる、ということです。
コミュニケーションの機会を避け続けるとどうなるかと言えば、
脳の神経回路を使わないことになります。
脳には常に【Use it or Lose itの原則】が働いているので、
コミュニケーションに関する能力は低下していくことになるんですね。
結果、ある時点で苦手意識を持って取り組まなくなったことが、本当に苦手になっていくということが起こります。
「恋愛」などでも同じようなことが起こります。
また、例えば、自己肯定感や自己効力感に関しても同じで、
・自己肯定感の高い認知
・自己効力感の高い認知
を少しずつ日常の中で実践していく。
そうすることで、自己肯定感も自己効力感も向上していくのですが、
その「少しずつの実践(適切な負荷)」に取り組むことができないので、
脳が成長せず変化を感じられない状況が続いてしまうんですね。
大切なことは、回復の時間も確保しながら、
少しずつ負荷をかけ実践をしていくことです。
適切な負荷と回復のバランスを取りながら少しずつ実践していくことで、
脳が実際に変化成長し、私たちの心は鍛えられていきます。
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