負けることで自分を愛せて、人生がうまくいくようになった話。

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岳飛伝という小説の中に、韓成忠という将軍が出てくる。

厳密にはその前のシリーズ楊令伝から出ているのだけど、岳飛伝から結構スポットライトが当たり始める将軍だ。

 

彼は、基本的には敵方の将軍なのだけど、

戦が強い。

天才の部類。

キングダムだと、桓騎に似てるのかな(知らない人はごめんなさい)。

 

ひょうひょうとした性格で、本音や本性をあまりつかめず、どこかニヒルなところを持っている、水滸伝シリーズでは珍しいタイプの人間。

 

ただ、ず〜とそんな感じでひょうひょうと生きてるんだけど、岳飛伝の中でそんな自分と向き合わされることが起こる。

 

 

彼はもともと騎馬隊の隊長だったんだけど、騎馬隊を指揮しているときはほとんど負けない。

 

でも、そんな彼がひょんなことから水軍を任されるようになるんだよね。

 

 

で、あるとき、その水軍がぼっこぼこにやられる。

ぼこられる。

 

もう、完膚無きまでにやられてしまう。

 

そこから、彼は向き合い始める。

「負け」ってものと。

 

で、中の良い船大工とそのことについて話していると、その大工に言われるんだよね。

 

「お前は、確かに強い。

天才の類だろうな。

 

ただ、なまじっか力を持っているがゆえに、

本当には強くなれていない。

 

お前は負けないことはできるが、本当に勝つことはできない」

 

って。

 

「お前の得意な戦は、最初の一撃だ。

 

最初に予想外の一撃を食らわすことはできるが、

本腰を入れることができない。

 

本腰を入れて、いざ、というとき、

 

お前はもうそこにいない。

 

だから、お前は負けない。

 

負けないが、本当に勝ちもしない。

 

それが、今までのお前だったんじゃないか?」

 

 

そこから、韓成忠は本腰を入れて水軍の強化にのめり込み始める。

 

自分が負けたことを心底受け入れて、そこでふてくされるのではなく前を向くことで、彼は変わっていったんだよね。

 

受験で負けて。恋愛で負けて。


 

 

イケジュンの場合の負けは、やっぱり受験のときが大きかったなあ。

 

本気で勉強して、負けた。

 

不合格だった。

 

そのときは、自然に悔しくて涙が出た。

兄貴と父親の前で泣いたことを覚えてる。

 

「負けた」

 

そう思ったなあ。心から。

 

自然に、泣けた。

 

事実として、現実として、結果として、

はっきりと突きつけられちゃったんだよね。

 

それまでは「できているんじゃないか」「いけるんじゃないか」みたいな気持ちがどこかにあった。

 

でも、そうじゃない現実を体験して、そこから本当に自分と向き合えるようになった。

 

客観的に自分を見られるようになった。

 

そこで、若気の至り特有の万能感みたいなものとおさらばできたんだと思う。

 

自分には、できないことも、苦手なこともあり、特別人よりも能力の面で優れているわけではない、ということがよ〜くわかった。

 

だから、負けて良かったと思う。

 

あそこで負けてなかったら、妙なプライド、妙な自尊心に囚われていたかもしれない。

負けるっていうのは適当に負けるということじゃなくて、本気で負けるってこと。

 

本気でやって、負ける。

その経験が教えてくれることは大きい。

 

恋愛だってそう。

 

本気で好きだった子を、大学生に奪われちゃったことがある。

彼女をね。

 

でも、そのときも、よ〜くわかったんだ。

 

自分が男としてどれだけ未熟なのか、ということを。

 

別に、彼女のせいでも、男のせいでもない。

ただ、自分が男として未熟だった。

それだけのことだったんだよね。

 

でもまあ、それも仕方なかった。

別に責めるわけでもなく、まあ仕方ないなあ、という感じ。

なんとなく、自分を受け入れられたんだよね。

しゃーねーな。みたいな。笑

ただ男として自分が未熟なのもよく分かったから、今の自分を客観的に見ざるを得ない機会があったから、

 

男としてカッコよくなりたいな、と思えた。

 

だから、負けるっていうのは悪いものじゃない。

 

そのときは嫌だけど。笑

泣けるけど。笑

 

でも、そこから自分が見えて来るから。

 

失敗とか負けとかそういうのに耐性もできるから、へこみにくくなるし。

 

自分は別に天才じゃないと分かってるから、

 

まあ練習しよ

 

と思える。笑

 

できなくてもそんなに恥ずかしくないというかね。

 

だって、下手っぴだし

だって、別に能力普通だし

 

ってなる。笑

 

だから、練習できるし、上手な人に素直に聞ける。

その方が、生きるのも楽。

 

無理に背伸びすることもなく、でも逆に、背が伸びてく感じ。

 

で、そういう風にどんな自分も認めていくこと、

現実を直視できるってことが自分を愛するってことなんじゃないかと思う。

 

いいんだよね、別に。

 

できない自分がいても、ダサい自分がいても、能力高くない自分がいても。

 

そこを認めてしまえば、道はあるから。

そこを認めないから道が見えないだけで、認めた先に道があるんだ。

 

世の中にはすごい人、すでに影響力を持っている人もいるけれど、

 

大事なのは今の自分をよく見つめて、それでもなお希望を持って、今自分ができることに集中することなんじゃないかと思います。

 

 

 

 

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