今回は「夫婦関係」をテーマに書いていきます。
夫婦関係がうまくいかない…とき、具体的に何が起こっていて、どうやって改善していけばいいのか?
その方法についてこの記事では詳しく解説していきます。
なぜ、夫婦関係がうまくいかなくなるのか?
なぜ、恋人同士のときはうまくいっていたのに、夫婦になるとうまくいかなくなるのか?
そこには様々な理由がありますが、
メンタル的には【ネガティビティバイアス】が脳に存在することが大きな原因です。
ネガティビティバイアスとは、ネガティブに強く反応する脳の機能のこと。
ポジティブよりもネガティブに反応しやすいように脳はできていて、
夫婦関係に当てはめれば、やってくれたことよりもやってくれなかったことに注目が向きやすいということになります。
例えば、家事、育児。
このバランスの悪さが問題になることはよくありますが、
やってもらえていないと感じる方が【やってもらえていないこと】に強いフォーカスが向くので、不満を感じやすくなります。
「なんでやってくれないの」「なんでこうしてくれないの」という不満ですね。
一方で家事、育児をしていないとされる方は、その代わりに仕事をしている!と感じていて、それは「やっていることだ」と思うわけです。
そこを「評価してもらえていない」と感じ、ここでもネガティビティバイアスが活性化してしまいます。
つまり、お互いに「やってもらえていないこと」に強くフォーカスが向くことで、互いの機嫌が悪くなってしまうのです。
相手に対して不満を持つようになり、その不満をベースにしてコミュニケーションを取ることに。
そのときのコミュニケーションはトゲがあったり、言葉がキツくなったりしがちで、
そこから関係性悪化が始まることがあります。
さらに、関係性が悪くなると「意地を張る」ことも起こりやすく、
互いに謝ったり、一歩譲歩する、ということができなくなってしまう。
すると、悪い関係性がデフォルトになってしまって、
そこから謝るとか感謝を伝える、相手の良いところを伝えるなどは、こっぱずかしてできなくなってしまうのです。
関係性が向上する要因がなかなか生まれず、だんだんと雰囲気は悪くなり、
夫婦関係が破綻寸前というところまでいってしまうことがあります。
また、ネガティビティバイアスは「小さなことが気になる」ことにつながります。
恋人同士のときは気にしなかったことも、一緒に暮らし始めると気になったり、
違いに対してイライラしてしまったりするのです。
その小さなイライラから不満が生まれ、コミュニケーションや関係性の悪化が起こることもよくあります。
さらに、まだ問題があります。
人間は2人になると、相手に自分の機嫌を取ってほしいと感じやすくなるのです。
1人のときというのは自分のことは自分でやるしかありません。
自分の機嫌を取れるのは自分だけと思えます。
しかし、2人になった途端に、「相手のせいで機嫌が悪くなった」「相手のせいで気分が悪い」と感じやすくなり、
自分の幸不幸が相手次第になってしまいます。
すると、ここでも「相手に対する不満」が生じます。
「何でこうしてくれないの」という不満です。
その小さな不満が積もり積もっていき、修復困難であると感じるところまで行き着いてしまう。
「何でこうしてくれないの」は夫婦関係でよく出てくることなのですが、それは、
・脳のネガティビティバイアス
・相手に機嫌を取ってもらいたい意識
というこの2つが活性化することで出てくる感情。
上記2つの仕組みは人間にそもそも備わっているであり、
大事なのは、そのことを自覚認識して、適切に対処していくこと。
ネガティビティバイアスに振り回されず、自分で自分の機嫌を取れるようになっていくことが解決策になっていきます。
ここからは、破綻寸前という状況の中で具体的にいかに夫婦関係を立て直していくか、について書いていきます。
これは運営しているメンタルジムでよく言うことなのですが、
同じことを続けると、同じ結果が出ます。
違う結果が欲しいなら、違う行動が必要です。
夫婦関係においては、これまでとは違う物の見方、相手に対する見方、コミュニケーション法、声を掛けるときの雰囲気を選択していく必要があるということ。
Do something different(何か違うことをやってみよう)
という意識が大切になります。
違うことをすれば、違う結果が生まれるので、そこから学びながら望む結果に近づいていきましょう。
良いところにフォーカスを向けると夫婦関係修復に近づく
では、まず具体的に何をしていくかというと、
相手の良いところを意識的に見るようにします。
これは基本でありベースとなる部分ではあるのですが、
ただ、非常に難易度が高いことでもあります。
というのも、これまでの関係性の中で、相手に対する見方は「固定化」されているものだからです。
固定的な見方に変化を加えることは最初の頃は特に難しさを感じます。
ただ、大事なのは先ほどもお伝えしたように、
ネガティビティバイアスの奴隷にならず、ネガティブな部分にばかりフォーカスしないこと。
相手の良いところ、できていることに意図的に注意を向けることで、
相手に対してほんの少しでもポジティブな感情を感じられることが大切です。
少しでも良いところを見れているかどうかは、少しでもポジティブな感情を感じているかどうかで分かります。
少し良いところを見れれば、少しポジティブな感情を感じます。
見方と感情は連動していて、見方が変わり感情が変われば、コミュニケーションの雰囲気も変わります。
その小さな積み重ねが関係改善には必須。
ただ、ここで大事なのは、無理をしないことです。
メンタルを向上させていくとき、何らかの変化を起こしていくときは、いきなり完璧を目指さないこと。
破綻寸前までいった相手に対して、いきなり深いや愛や感謝を感じなさいというのは、無茶振りだと思います。
そういった無茶振りを自分にしないことが大事で、着実に、少しずつ、ほんの少しの一歩から進めていくこと。
特に感情的に無理があることはやらなくてOKです。
先程の、愛しなさい、感謝しなさい、などですね。
無理があることで感情は向上せず、感情が変わらなければコミュニケーションは変わらないので、関係性も変わりません。
「それだったらできそう」「そう思うくらいなら大丈夫」というポイントを見つけていただき、
できる範囲で感情を向上させていくことが大切です。
たとえ意見ややり方が違ったとしても、
「やり方は違うけど、やろうとする意志はあるんだな」
「意見は違っても、子供を大事に思う気持ちは同じだな」
と捉えたり、
「考えは違うけど、この人はこの人で大事にしたいことがあるんだな」と考えてみたり。
やり方が違う、意見が違う、大事にしているものが違う。
そこでネガティビティバイアスが発動してネガティブに感じることはよくあるのですが、
表面的な「違う」だけに注目せずに、
相手が大事にしていること、相手の価値観、相手の思いにまで目を向けることで、
これまでとは違った捉え方ができるようになります。
その小さな変化が雰囲気や言葉遣い、コミュニケーションの節々に現れるようになり、
それが関係改善につながっていきます。
大事なのは、いきなり劇的な変化を求めるのではなく、
小さなコミュニケーションの質の向上の先に変化が待っていると受け入れることです。
関係性というのは一気に崩壊するというより、小さな不満の積み重ねによって生まれるもので、
逆に言えば、関係性改善も小さな積み重ねが大事になるということ。
相手のことをこれまでよりもほんの少し肯定的に見ることができること。
その意識の変化から関係性の変化が起こってきます。
自分の機嫌を自分で取ると夫婦関係は良くなる
次に行っていくのが、自分の機嫌を自分で取るというアプローチです。
人間関係の中にいると、どうしても「他者に自分の機嫌を取ってほしい」と感じるようになります。
ただ、その感覚が「相手に対する不満」につながり、
自分で機嫌を取るのが難しくなればなるほど、相手への不満は大きくなる傾向が出てきます。
逆に、自分で自分の機嫌を整えられるようになると、
相手に対する期待や要求を整えることができるので、ネガティブな感情が減少します。
結果、コミュニケーションのポジティブさが増すので、関係性も向上するのです。
とにかく夫婦関係の修復において、コミュニケーションです。
少しでもポジティブな雰囲気でコミュニケーションを取れるかどうかが重要で、
その小さな積み重ねを大事にしていくことで修復が可能になります。
そのために、そもそもの自分の機嫌を高めていくことが大事になります。
では、どうすれば自分の機嫌を自分で整えられるようになるのでしょうか?
自分で自分の機嫌を取るには、大きく分けて2つのアプローチがあります。
・行動を整える
・認知を整える
の2つです。
行動を整えるというのはシンプルに言えば、好きなことをする、ということ。
自分が好きなこと、やりたいことに取り組んでいく。すると、当然、機嫌は良くなっていきます。
自分がしたいと思っていることを優先しないでいたり、我慢することが多くなると、相手に対する不満も感じやすくなります。
「私はこんなに我慢しているのに、あの人は…」と感じやすくなるのです。
すると不機嫌につながってしまうので、
可能な範囲で我慢せずに好きなことをするようにしていく。
もし体が疲れているなら、疲れを取る時間、回復の時間も確保していく。
そうやって『自分を大切にする時間』を増やしていきます。
それが【行動を整える】ことで自分の機嫌を取る方法になります。
例えば僕の場合で言えば、
・外を気ままに散歩する時間を取る
・筋トレに打ち込む
・温泉やサウナに1人で行く
・映画館で1人で映画を観る
・夢中になって読書する
・仲間とボードゲームをして遊ぶ
・好きなゲームを自由にする時間を取る
・1人でカフェに行ってゆっくりする
・睡眠時間を十分に取る
・ストレッチに全集中して体の凝りを取る
などです。
そういう時間を優先的に取ることによって気分が高まり、機嫌良く過ごすことができるようになります。
ここは個人差があるところなので、あなたなりの行動を明確にし、その行動を取る時間を確保してみてほしいと思います。
次に、認知を整えることで機嫌を整える方法について。
認知を整えるとは、自分の物の見方を整えるということになるのですが、
例えば、
・一般化しない
・自分の価値ごとにしない
・未来から現在を眺める
・成長マインドセットを持つ
・長期的な視点を持つ
・相手の課題と考える
・良いところを見る
など、様々な方法があります。
より具体的な方法についてはこちらの記事に書いているので、良ければお読みください。
行動や認知を整えることで、自分で自分の機嫌を取る。
そうすると、そもそも良い状態になるので、他者に対する期待を減らすことができます。
そもそも良い状態なので、他者がどうしようと気にならなくなってくるんですね。
つまり、パートナーがどうであっても、以前よりも強いネガティブな感情を感じなくなっていくということ。
そうなると、そもそも良い状態でネガティブではないので、コミュニケーションの質も高まります。
他者をコントロールしなければと思わなくなり、相手に対する不満も減るからです。
そうなったとき、感情的にならずに冷静に話せるようになるので、
相手もこちらの言い分を聞いてくれるようになります。
「相手の言動で状態が下がっているな。。。」と感じたとき、
まず先に相手が変わってくれればと思うし、相手を変えたいと思うもの。
ただ、相手を変えたいと思っている状態でコミュニケーションするときは、
相手に対してネガティブな印象を持っており、コミュニケーションの質が下がります。
その結果、相手は反発心を持ってしまい、変わってくれず、望まない現実が継続してしまう。
そうではなく、相手が変わる前に、まず自分の機嫌を整える。
相手はそのままで自分が機嫌の良い状態に先になってしまって、その状態でコミュニケーションする。
そのとき、コミュニケーションの質が上がるので、相手も自分の話を聞いてくれたり、行動を変化させてくれる。
そうなると、お互いに満足を感じて、良い関係性を築けるようになり、関係性も修復していくことができるんですね。
関係性を修復するために、1発で大きな変化が生まれる魔法のような方法を期待してしまうことがあるかもしれませんが、
大事なのは「日々のコミュニケーションの質」であり、関係性は「日々のコミュニケーションの積み重ね」から生まれます。
なので、今から、これまでよりもほんの少しポジティブで明るいコミュニケーションを増やしていく。
少しずつでいいので、より良いものに変えていく。
そうすれば、関係性はどんどん修復されていきます。
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