この記事では、精神を安定させる方法について書いていきます。
仕事や人間関係、恋愛、などの中で精神が安定しないことはよくあるもの。
そのとき、脳の中で何が起こっていて、どういう対策を取ればいいのか?について
主に、
・思考法
・運動の効果
・認知の癖
・自律神経を整える
・日常の習慣
を取り上げながら詳しく解説していきます。
【記事を書いている人→ 池田潤 コーチ・メンタルトレーナー。20代で6万5千部のベストセラー含む5冊の本を出版(自分の武器を見つける技術、無愛想のススメなど)。900名以上が参加した心を鍛え整えるジム「イケジム」を運営。コーチ・トレーナーとして心の状態&パフォーマンスを最大化するサービスを提供。京大法学部合格後、ブログを書き始め、今に至る。趣味は、筋トレやボドゲ、読書。毎朝起きてカフェに行くのが日課】
メンタルを安定させる思考法
精神やメンタルが安定しないときによく起こっているのは、
コントロールできないことについて考えすぎている状態
です。
例えば、未来の不安、過去の後悔、他人の行動や思考、結果。
これらはコントロールすることができないもので、考えすぎるとメンタルが不安定になってしまいます。
なので、まずは自分が考えていることが「自分にコントロールできることか?」を見直してみることが有効です。
コントロールできないことは自分にはどうすることもできないことなので、
「あれこれ考えても仕方ないな」と割り切ることで、メンタルは安定しやすくなります。
さらに、コントロールできることも明確にしておくとさらに効果的で、
「自分にできることはやっているのだから、それでいいのだ」
と思えることでメンタルは安定します。
やれることはやっている。できることはやった。
この感覚を持てると精神面が安定しやすいので、できることを明確にすることもまた有効な方法になります。
未来のことが不安になったら、【今できること】に意識を向ける。
過去の後悔が頭に浮かんだら、【これからどうしていきたいか】に意識を向ける。
他者がどう思うか?について考えてしまったら、【自分にできること】に意識を向ける。
結果を不安に思ったら、良い結果を得るために【日々取り組むべき行動】に意識を向ける。
そうやってコントロールできないことではなくコントロールできることに意識を向けられると、精神面は安定してきます。
運動して脳内物質を分泌させればメンタルは安定する
さらに、運動による【脳内物質の分泌】も非常に重要です。
運動をすると精神が安定するという研究はものすごくたくさん存在します。
精神を安定させ強くしたいなら、1にも2にも日常生活に運動を取り入れること。
ただそれだけで精神は安定し、心身共に良い状態になっていきます。
運動が精神面を整えることを示した書籍をいくつか紹介しましょう。
『週に3回、30分程度の軽度から中程度の強度の運動をするだけで、不安な気持ちを和らげるのに十分であることを突き止めたのです。
さらに、最も効果があった被験者は、最も不安を抱えていた人たちでした。
うれしいことに、彼らの不安は運動後に軽減され、運動で得られる安心感はトレーニングを積むことでさらに増していきました。
実際、運動は不安を和らげる効果が高く、不安障害のある人の不安症状を軽減するだけでなく、誰もが時折経験する不安感も軽減してくれます。
さらに良いことに、有酸素運動、レジスタンス運動、ヨガ、太極拳など、多くの異なるスタイルの運動で、不安を和らげることができるのです。
うつは運動で消える 神経科学が解き明かした「心の不調」のリセット法 ジェニファー・ハイズ ダイヤモンド社』
『運動はドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンのレベルを上げ、BDNFのレベルも上げる。
長期的には炎症を抑える効果もある。
なぜかと言うと、運動することによってエネルギーが消費され、そのエネルギーの一部は免疫系から奪われてくるので免疫系の活動が抑えられる。
それは良くないように思うかもしれないが、慢性的な炎症というのはたいてい免疫系が過剰に活動しているせいなのでそれで良いのだ。
活動が活発すぎるのを運動が落ち着かせてくれるのだから。
運動はまた、海馬に新しい脳細胞ができるスピードを上げ、HPA系を平常化させる。
他にもまだまだあるが、言いたいことはもうわかってもらえたと思う。生物学的見地から言うと、うつに対して運動ほど真逆に働きかけるものは思いつかない。
ストレス脳 アンデシュ・ハンセン 新潮社』
『気分が落ち込んでいても、体を動かしてすっきりすると、気分はきっと大丈夫で、信頼できると思えるようになり、態度もすっかり変わる。
この日課を定着させるだけで、気分は大きく改善する。明らかに変化が起きるのだ。
その効果を最もはっきり示しているのは、カリフォルニア州バークレーの人口研究所が行なった「アラメダ郡研究」である。
その画期的な研究は、1965年から26年間にわたってアラメダ郡の住人、8023人について、生活習慣と健康度に関するいくつもの項目を追跡調査した。
調査開始時(65年)にうつの兆候が見られず、74年までの9年間、あまり運動しなかった人は、1983年までにうつになった割合がよく運動した人より1・5倍多かった。
一方、最初は運動していなかった人が1974年までに少しずつ運動するようになった人と、最初から一貫して運動していた人は、1983年までにうつになる割合が同じだった。
つまり、運動の習慣の有無がうつになるリスクを変えるのだ。
脳を鍛えるには運動しかない ジョン・J・レイティ NHK出版』
このように、運動をすることにおける精神面にメリットは計り知れません。
精神を安定させたい場合は、まず真っ先に取り組むことだと言えます。
運動に取り組んだり続けられるようになるために大事なことは、運動が持つ計り知れないメリットについて知ること。
メリットを知れば知るほど、やらずにはいられなくなります。
「なんとなく、運動ってやった方がいいんだろうな」
という程度の感覚だと、なかなか取り組むことも続けることも難しいと思います。
ですが、運動のメリットを深く知れば知るほど「絶対にやった方がいいな」と思えるので、継続しやすくなります。
上記の本には運動のものすごい効果が深く書かれているので、読んでみるのもオススメです。
ネガティブな認知に気づくと精神は安定する
次に【認知】について。
認知とは、物の見方や捉え方のことを言います。
認知がネガティブに偏るとメンタルは不安定化するもので、認知を整えることが精神の安定につながります。
具体的にメンタルを不安定にする認知とは、
・一般化
・自己関連づけ
・ネガティビティバイアスによるネガティブ過大視
などです。
一般化とは、例えば、人間関係で1人の人とうまくいかなかった場合に、
「自分は人間関係が苦手である」と考えてしまうこと。
1人の人とうまくいかなかっただけであり、他にはうまくいっている人、問題のない人がたくさんいるのに、
うまくいかなかった経験を全てだと思ってしまう認知です。
仕事で言えば、ミスや失敗があったとき、自分ができたことや成長したことが頭から抜けてしまって、「自分はだめだ」と考えてしまう。
そのとき「一般化」が起こってしまっているので、そのことに気づいていきます。
「あ、これは一般化をしてしまっているからネガティブな感情を感じているんだな」と。
認知を整えるには『気づくこと』が大事で、気づく瞬間を増やしていくことで整えることができます。
次に、「自己関連づけ」ですが、これは自分とは関係のないことを関係があると考えてしまう認知の癖です。
例えば、相手が不機嫌だったときに、「自分が何かしたのかな?」と感じてしまう。
不安になり、相手の考えていることや感じていることを頑張って想像して頑張る。
家に帰ると気疲れしている。
これも「自己関連づけ」の認知が存在しているときに起こりやすい状態です。
本来は自分や自分の価値とは関係のないことを、関係があると思ってしまう。
その場面に気づき、整えていくことでネガティブ感情を感じる必要のない場面で感じてしまうことを防げるようになります。
すると、メンタルの安定につながるのです。
さらに、脳にはそもそもネガティビティバイアスがあるので、
ネガティブなものに反応しやすくできています。
うまくいかなかったこと、失敗、ミス、そういったものに強く反応しやすい性質を持っているので、そのことに気づいておくことも重要になります。
気づいたらネガティブなことを考えていて、考えれば考えるほど状態が低下…
という負のスパイラルが始めることはよくあります。
脳はそもそもネガティブに反応しやすいからこそ、あえてポジティブなもの、気分が上がることにもフォーカスしていくことが有効です。
自室神経を整えるとメンタルは安定化する
メンタルが不安定になっているときは、自律神経が乱れていることが多いです。
自律神経は、交感神経と副交感神経からなり、両者のバランスが取れていることで体をうまく機能させるようになっています。
ただ、現代人は交感神経過多になっていることが多く、副交感神経がうまく機能していないことが多いです。
副交感神経が機能していないときに起こる症状が様々ありますが、1つが睡眠の質の低下です。
寝入りにすごく時間がかかったり、寝ても疲れが取れなかったり、寝起きがひどくつらいという場合、自律神経の乱れが原因の可能性があります。
睡眠の質が低下すると十分な回復が取れなくなるので、疲れが溜まり、気力が湧かず、メンタルが不安定化します。
睡眠不足はあらゆるストレッサーの中でも最もメンタルの不調につながりやすいので、自律神経を整えて睡眠の質を向上させましょう。
具体的な方法として有効なのは、首の凝りを緩和することです。
意外に思うかも知れませんが、首の凝りが自律神経の乱れにつながることが分かっています。
参考資料「自律神経に異常 首こり病 筋肉の疲労で全身に不調」
首のストレッチに力を入れたり、体を動かすことに取り組むことで自律神経は整っていきます。
筆者も以前までひどい首こり肩こりに悩まされており、比例するように睡眠の質も低下していました。
そこで、首のストレッチから始め、全身のストレッチを習慣化することで改善しました。
首のこりや体の疲れが取れるごとに入眠のスピードは上がり、睡眠の質も改善していきましたので、非常にオススメです。
下記の記事に、習慣化するために有効な方法についても書いています。
:【行動したいのにできない原因と対策】考えてばかりで動けないを完全解決する方法
日常生活を整える
次に、日常生活を整えることでメンタルを安定化させる方法について。
日常生活の中でメンタルが整うアクティビティを取り入れていったり、メンタルが乱れる行動を避けることにより、精神的な安定を得られるようになります。
具体的には、
SNSとの付き合い方を整えること。
SNSでは常に情報が更新されていて、暇さえあれば見てしまう、ということもあるかと思います。
ただ大量の情報に触れる中でネガティブな情報に触れる機会が増え、ネガティブな思考をする時間が増えてしまうこともあります。
また、寝る前にSNSに触れることで眠りにくくなることもあります。
さらに、時間を取られてしまうので、大事なことが先延ばしになり、
それによって現実面で支障が出て、そのことを考えるとネガティブになってしまう。
考えないようにしてSNSに触れて、余計に先延ばしになり、、という循環に入ることでメンタルが不安定になることがあります。
SNSと適度な距離を取りながら有効に「活用する」ということができると、それだけでもメンタルは安定しやすくなります。
次に大事なのは、
没頭し集中する機会を持つこと。
メンタルが不安定になってしまうのは、考えすぎていることが多いです。
例えば、目の前にやることがあってそのことに忙しくしているとき、人はネガティブにはならないものです。
なぜなら、考え事をしている時間がそもそもないからです。
逆に、時間ができて暇になると、することがないので未来の不安や過去のこと、自分にはコントロールできないことについて考えてしまったりします。
それらのことを考える時間があるから考えてしまうところがあって、
逆に言えば、没頭したり集中する時間を持つことができれば、ネガティブな思考を減らすことができます。
考え事が多くてネガティブになりやすい場合は、ポジティブなことを無理に考えようとするよりも、目の前のことに没頭する方が有効です。
ポジティブなことを考えようと頑張っても結局ネガティブな思考は出てくるもので、
そうではなく、そもそも考えること自体をやめてしまう。
目の前のことに没頭し集中できるものを持つことが有効です。
さらに、それが好きなものであればなお良いです。
好きなことに没頭できるとポジティブな感情を感じて感情の回復になります。
楽しい時間を実際に過ごすことはメンタルに非常に良い影響がありますので、ぜひ好きなことに没頭する時間を取ってみてください。
こちらに記事にもメンタルを安定させる方法を詳しく書いているので、ぜひ読んでみてください。
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