過去の嫌なことを思い出してつらい…を解決する2つの方法【本質】

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今回は、「過去の経験によって自信を失ってしまった」「過去の記憶が足かせになって人生がうまくいかない」と感じるとき、どうすればいいのか?その解決策について示していきます。

 

【記事を書いている人→ 池田潤 コーチ・メンタルトレーナー。20代で6万5千部のベストセラー含む5冊の本を出版(自分の武器を見つける技術、無愛想のススメなど)。900名以上が参加した心を鍛え整えるジム「イケジム」を運営。コーチ・トレーナーとして心の状態&パフォーマンスを最大化するサービスを提供。京大法学部合格後、ブログを書き始め、今に至る。趣味は、筋トレやボドゲ、読書。毎朝起きてカフェに行くのが日課】

 

『現在の状態』が『過去の認知』に影響する


 

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僕らが過去をどう捉えるか、過去のどんなことを思い出しやすいかは、

現在の状態を反映しているという研究があります。

 

心理学者ルイスとフェアリングが示したもので、

 

現在の生活に適応できている場合、実際に事実として幼児期に親との愛着に課題があったとしても、自分の幼児期を肯定的に評価しており、

 

現在の生活に適応できていない場合、自分の幼児期を否定的に考える傾向が見られたのです。

 

一般的に、時系列として【過去→現在】と考えますよね。

 

過去が現在に影響を与えているのだから、過去が悪ければ現在も悪いという考え方です。

 

しかし、ルイスとフェアリングが示したのは、

 

【現在→過去】

 

という矢印の影響力が存在するということ。

 

このことがどういう解決策を導くのか?

 

それは、過去と向き合うというよりも、

現在の状態を高めていくことで過去の捉え方を変えられる

という方向性です。

 

過去云々の話が出たとき、僕らはどうしてもその過去そのものと向き合わなければならない、と考えます。

 

ただ、過去と向き合っても結局現実は変わっていない、行動に変化がない、今の気分が変わらない、ということも起こりやすいのです。

 

ですが、現在の状態を高めれば、今気分も上がりますし、今行動も変わります。

 

つまり、現実が実際に動き始めることになる。

 

そうやって少しずつ現在の状態が上がり、現実も少しずつ上向いてくれば、その結果、過去の捉え方も自然に変わっていく可能性があります。

 

実際、そういう経験をしたことが誰にでもあるのではないでしょうか。

 

最初はネガティブに感じた経験も、渦中にいる時期が過ぎ去り、落ち着いて、状況も良くなってきたときに、

「あれのおかげで、大切なことに気づけたな」

と感じられ、その出来事をポジティブに捉えることができたり、感謝の思いすら持つことができる。

 

このとき、過去の捉え方はポジティブになっているわけですが、

出来事それ自体が変わったわけではありません。

 

過去の出来事は同じなのだけど、【現在の状況】が変わった、ポジティブになったことで、

『過去の捉え方』が変わっているのです。

 

つまり、【現在→過去】という影響力が存在することを示しています。

 

僕が運営するメンタルジムでは、現在の状態を上げる様々なトレーニングを提供しています。

 

『現在の』状態を上げていくわけなのですが、これまでの受講者の感想を見ていくと、過去への捉え方にも変化が見られることが分かります。

 

自分の人生そのものをプラスに捉える感覚が強化されていくのです。

 

過去そのものと深く向き合っているわけではないのに、過去への思いが癒されていく。

 

もし過去に対するカウンセリングやセラピーなどで思うような効果が出なかったと感じている場合、

方法そのものを変えること、つまり【現在の状態】を上げることこそが根本的な解決策になる可能性があります。

 

また、現在の心の状態は「何を思い出すか」に影響を与えることもわかっています。

 

以下、「なぜイヤな記憶は消えないのか?」という本からの引用です。

 

「愚痴っぽくてネガティブな気分で過ごしているから、ネガティブな出来事ばかり記憶に刻む。

ポジティブな出来事も経験しているはずなのに、それはあまり記憶に刻まれない。

自分の気分に馴染む出来事が記憶に刻まれやすいからだ。

このような気分一致効果は、記銘時(記憶に刻む時点)のみならず、想起時(記憶を引き出す自転)にも作用することが分かっている。

そのときの気分に馴染む出来事が想起される、つまり記憶に刻まれるだけでなく、そのときの気分に馴染む出来事が想起される、つまり記憶が引き出されるのである。

落ち込んだ気分の人たちは、高揚した気分の人たちと比べて、愉快な経験をなかなか思い出すことができなかった。

愉快な経験を検索するのに時間がかかり、思い出せたエピソードの数も少なかった。

だが、不愉快な経験を思い出すように求められたときは容易に思い出すことができた。

ここから言えるのは、思い出すときの気分に馴染むエピソードが思い出されやすいということである。

楽しい気分で過去を振り返ると、楽しいエピソードを思い出しやすい。

不愉快な気分で過去を振り返ると、不愉快なエピソードを思い出しやすい。

沈んだ気分で過去を振り返ると、さらに気分を落ち込ませるようなエピソードを思い出しやすい。

 

なぜイヤな記憶は消えないのか? 角川新書 榎本博明」

 

思い出すという行為は、メンタルをトレーニングすることになり得ます。

 

つまり、ネガティブなことを何度も思い出していると、よりそのことが記憶に残るようになり、

記憶が未来イメージに反映され、パフォーマンスを下げることにつながるのです。

 

例えば受験勉強でも、覚えたい、記憶に残したいことは何度も繰り返し解いて、思い出していましたよね。

思い出す回数が多ければ多いほど、強く記憶に残すことになります。

 

ではなぜネガティブなことを思い出してしまったかと言えば、

 

今ネガティブな気分を感じているから

 

です。

 

今ネガティブな気分を感じているから、ネガティブなことを思い出しやすくなる。

 

ネガティブなことを思い出すから、ネガティブに注目しやすい脳になる。というループが起こり、どんどん脳のパフォーマンスが低下してしまうのです。

 

ここでも解決策は同じで、【現在の状態を上げること】になります。

 

現在の状態を上げることができれば、明るい気分になることにフォーカスしやすくなります。

 

明るい気分になることにフォーカスできると、ポジティブな記憶が積み重なっていき、パフォーマンスも上がっていく。

 

ですので、過去に対してどうにかしていきたいと感じる場合、

やはり【現在の状態をいかに上げるか】を考えることが非常に有効である、ということになるのです。

 

『コントラスト』で過去を力に変えられる


 

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過去を癒し力に変えるには、『コントラスト』という考え方も非常に有効です。

 

ここで言うコントラストとは、

 

ポジティブなこともネガティブなことも全てが貴重なデータとなり【願望】を明確にしてくれている

 

 

という考え方です。

 

ポイントになるのは、ネガティブもまた貴重なデータになるということ。

 

ネガティブな感情を感じるということは、同時に、そこに『強烈なポジティブ』が存在している何よりの証拠です。

 

ネガティブは『自分にとって何がポジティブか』を明確にしてくれるために存在していると言ってもよく、

ネガティブな感情を感じたら、それも一つのデータとして捉えることができます。

 

「ということは、自分はどうしたいのだろう?自分は何を望んでいるのだろう?」

 

そう考えることで、自分が本当に望んでいることを導き出すことができます。

 

過去のネガティブな経験も、それ自体を見つめ続けるというより、

『その経験から明確になった自分の願望』

に目を向けてみる。

 

ここが非常に重要なポイントです。

 

望まないことそのものを見つめ続けるのではなく、明確になった願望を見つめる。

 

そう考えると、自然に意識が未来に向きます。

 

未来志向で考えられるようになり、未来から現在を捉えたり、未来から過去を捉えられるようになる。

 

すると、先ほど書いたように「あれのおかげで」という意識も生まれやすくなります。

 

その瞬間、過去を受け入れたり愛することに近づいているわけですが、ではなぜそうなったか?

 

コントラストという考え方を活用することで【願望】の方に目を向けたからです。

 

望まないことそのものを見つめ続けるのではなく、望まないことによって明確になった望むことに目を向ける。

 

このトレーニングをコツコツと行っていくことで、

過去が足かせになるのではなく、むしろ過去を力に変えて、未来に向かって進んでいくことができるようになります。

 

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