最近注目して個人的にも探求を進めているのが、
「感情を自分自身とは考えず、脳が生存を実現する手段として生み出しているものと捉える」
というものです。
例えば、高所恐怖症を考えてみましょう。
明らかに落ちる心配がない。完全に安全な場所からであったとしても、高いところだと恐怖を感じたりしますよね。
これは正常な反応であると同時に、過剰な反応でもあります。絶対に落ちない場所にいるわけですから。
リスクが完全に0パーセントなのに恐怖を感じるのは、合理的に考えると無駄なことです。
そんな風に、脳は「必要以上に自分を恐れさせる」ことがめっちゃよくあります。
原始時代はそんなに高いところまで登ることができなかったわけなので、高いところは異常なこと。実際、あぶない。
なので恐怖心を感じるようにできている。
仮に高所恐怖症を克服しようとしたとき、何が必要かというと、
「今感じている恐怖は過剰なもので、単なる脳のアラートメッセージ(信号)として客観的に眺めていればいい」
と考えることです。
実際、有名な哲学者であるゲーテは、その思考の力と実践によって高所恐怖症を克服しています。
メンタルの問題は経験から学んで身につけたものなので、経験から学んで手放す、再学習することが可能です。
それがメンタルトレーニングで実践することです。
僕らは感情を何の疑いもなく信用してしまいます。
感情のことを自分自身だと思っているからです。
でも、研究を進めていくと、感情は脳が生存のために生み出しているものだとわかります。
やりたくない、食べたい、動きたくない、避けたい。
全て、脳が「生存」という目的のために作り出すものです。
ポイントは、脳の最重要ミッションは生存することであって幸せになることでも自己実現することでもないことです。
つまり、自動的に生み出された感情に従って生きると、とりあえず生存することはできる。
生存は可能だけど、それが幸福につながるか、自己実現につながるかというと、そうではない。
たとえば、甘いものが目の前にあれば脳は食べたいと思いますが、
食べればダイエットという自己実現はできず、健康という幸福を手に入れることもできません。
現代社会ではすでに生存の問題はクリアされていて、生存を目的にする必要はなくなっている。
むしろ僕らは自分なりの幸福や自己実現こそ重要だと感じているわけです。
(実際、中長期の視点で行動することこそが現代社会では生存確率を高めてくれます)
ここにギャップがある。
多くのメンタルの問題はこの「脳(生存)」と「自分自身(幸福と自己実現)」が求めていることのギャップから生まれている、という仮説を僕は持っています。
人生がうまくいかなくなることの一つの理由は、
生存を目的にしている脳が生み出す感情のままに選択をすること
です。
たとえば、脳は「スマホを見たい」と考えます。
なので、スマホを見ることにつながる感情を生み出します。
しかし、スマホを見れば時間はなくなりますし、集中力や実行力も低下します。そうなれば、自己実現は難しくなります。
そこで、
「ああ、脳はスマホを見させようとして、この感情を生み出しているなあ」
と眺めることができ、その感情に乗っ取られるのではなく、
「ここでスマホを見ても何も生まないし、読書をしよう」
と自分を動かすことができるか。
これは言い方を変えると、
・読書することはめんどくさいこと(自動的に生まれる解釈)ではなく楽しいことなはずだ(意図的なフォーカス)
と考え、楽しさにフォーカスを意図的に向けるということでもあります。
例えば、めんどくさい、という感情も生存を目的にして生み出される感情です。
脳は消費エネルギーが大きいし、原始時代はいつエネルギー源となる食料が手に入るかわかりませんでした。
その結果、「めんどくさい」と自分に感じさせることで行動量を抑え、エネルギー消費そのものを抑えていました。
これは生存を目的にした場合、非常に合理的です。
だから今でも僕らは「めんどくさい」と感じます。
しかし、今は食料はいつでも手に入ります。エネルギー消費をそこまで抑える必要のある状況ではありません。
むしろ運動不足など、エネルギー消費が少なすぎることの方が問題になっています。
原始時代と今では全く環境が変わっていて、取るべき行動も変わっている。
でも脳は原始時代から変わっていないから、『自動的に生まれる感情』と『取るべき行動』にギャップがある。
だからこそ、脳が生み出す感情に従ってばかりいると人生がキツくなる。
それが僕がメンタルトレーニングが必要だと考える理由でもあります。
脳が生み出す自動的なネガティブフォーカス(めんどくさい、怖い)に振り回されず、
その行動が生み出す喜びや利点にフォーカスを向け直すということ。
「今の時代に幸福と自己実現を手に入れるために必要なことはこれだ」と脳に教えてあげるということです。
人生がキツくなるのは、脳が『生存を目的に生み出す自動的な感情』に従い続けてしまうからです。
過去の失敗経験から、ある分野に不安を感じやすいとしましょう。
生存を重視するなら、その分野に触れない、近づかない、やらないことを選択するのが合理的です。
別にその分野に近づかなくても生存することはできるからです。
だからこそ、脳はできるだけ強い恐怖心や不安を感じさせます。
でも、それが「お金」「恋愛」「人間関係」「仕事」にまつわることだったら?
中長期では生存の確率を下げることにつながりかねませんし、幸福度や自己実現度を下げることにつながります。
脳の目的を本当の意味で、中長期で達成するためにも、
メンタルトレーニングを通じて恐怖や不安に対処し、フォーカスを意図的に整えポジティブを感じ、脳に再学習させることが大切です。
過去にネガティブな経験をした分野ほど。
それができれば、人生の幅は一気に広がり、より自由度の高い理想的な現実を手に入れることが可能になります。
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