今日の夕方、散髪に出かける。
思えば、散髪には様々な思い出とメントレがあった。
今の美容師さんは、もう、長年のお付き合いがある方だ。
ただ、毎回の散髪が常に満足のいくものだったかというと、実はそうじゃない。
「うーん、もちっと、ここを残してほしい」
と思ったこともある。
若かりし頃のイケジュンはその度、心の中で相手を責める気持ちを抱いていた。
「さりげなくしなやかに俺の気持ちを読み取って、残してくれよ!」
と。
相手に心を読み取ることを期待していた。
相手がメンタリストであることを無意識のうちに求めていたんだ。
ただ、だんだんと、分かってきたことがある。
「そんなん無理や」
という当たり前の事実だ。
心を読み取るなど、常人にできることじゃない。
振り返ってみると、
「俺、あんまり自分がどうしてほしいか言ってこなかったな…」
と、あるとき思った。
なぜ言ってこなかったかというと、おそらく、迷惑がられるのが嫌だったんだろうと思う。
うるさい客と思われたくなかった。
そんな風に思われるくらいだったら、微妙な仕上がりで我慢しよう。
そういう風に思っていたのだと、気づいた。
つまり、嫌われたくないから我慢していた。
そう気づいた翌月から、とにかく自分の髪についてとことん話し合うようになった。
色んな想定や想像をしながら、ここを切ったらどうなるか、それに対してイケジュンはどういう恐れを抱いているのか、パーマはどうなんだ、量が多いのは嫌だが長さは欲しいその場合は…などなど、方向性について話し合うことに時間と労力を使った。
なかなか、切り始めることができない。
ゼーハー、ゼーハー…
本気の気持ちのぶつかり合いで、気づけば、互いに息が乱れ始めていた。
嘘だ。
とにかく、自分が思っていることを打ち明け、そこに対する専門的な対処について聞き、心から納得できる話し合いを繰り返した。
その結果、そのときの仕上がりは非常に満足いくものになった。
別に、特別オシャレだとかそういうことじゃない。
大事なのは、自分が自分なりの納得しているかどうか。
もちろん、完全におまかせで、自分の想像を超えるものを作ってもらうのも一つの有効な手だ。
それもめちゃめちゃいい方法で、こうやって自分のイメージを作ってもらうことばかりが方法じゃない。
新しい自分に出会う、自分の想像を超えるときには、完全に任せる方がいい。
自分ではなくプロに任せる。
これは、素晴らしい手。
ただ、自分の中で「こういう風にしてほしい」という願望がある場合は、話し合うことを恐れないことも大事なこと。
要は、勝手に被害者にならないこと。
勝手に拗ねないこと。
話し合いがきちんとできていれば、お互いのイメージの共有にずれがないから、お互いが納得できるものになっていく。
もし「あ、そこ切ったらやばめ!」と思ったら、
ストッピ!!!!
と言えばいい。
ストッピをかける勇気。
ストッ「プ」じゃない分、一体こちらの身に何が起こったんだと驚いて、美容師はハサミを動かすことはできない。
そこでまた話し合って、「いや、ここを切っても〜〜の理由で大丈夫です」と説明してもらう。
向こうにだって当然、切ろうとした理由がある。
それを聞けば、「あ、そうなんですね」と納得できる。
そこからチョキチョキを再開してもらえばいい。
めんどくさい客だなと、自分で思うかもしれない。
だけど、切る側だって伝えなければ分からないわけだし、そうやって話し合いコミュニケーションするという選択肢を持つことは大事だ。
そもそも切っている時間はたいして話すことだってないわけだから、散髪のときくらい自分の髪や髪型と本気で向き合ったっていいじゃないか。
細かいことにこだわったっていいじゃないか。
次の客がいる?
そんなもんは知らん。
今は俺が客だ。
次の客が気になるような予約時間設定にした、そっちが悪いぜ。
べいべ。
これは、髪を切るときだけのことじゃない。
話し合いをする。
自分はこう思っていると打ち明ける。
勝手に拗ねない。
勝手に被害者にならない。
それができるだけで実は変えられることもあるんだと気づいた、美容室での経験でした。
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