「近くに、⚪︎⚪︎珈琲ができましたね」
常連となっているカフェで、そう声をかけられた。
「ああ、そうみたいですね」
⚪︎⚪︎珈琲が近所にできることは知っていたし、行ってみるつもりだったのだけど、そうか、このカフェからすれば「競合ができた」ということになるのか。
どうやら、この店の店長も現在調査に行っているらしい。
調査に行って、どうなるんだろう。
近所のカフェ次第で、何かを変えたりするのだろうか。
今のままで非常に満足していて何も変化してほしいことなどないし、競合ができたからといって、カフェとして何か施策でもあるのか。
よく、分からなかった。
この店のヘビーユーザーである自分特有の感情なのかもしれないけれど。
自分は、珈琲にお金を払っているのではなく、環境にお金を払っている。
常連になっている店は大人っぽい雰囲気で、年齢層も高い。常連の中では自分は圧倒的に若いはずだ。
ギャルもあまり来ないし、高校生が来るには値段も割高。
値段が高いことが障壁となって、ギャルや中高生が来れなくなっているのだ。
この店に値下げされると、困る。
他店を調査して、価格が安いからといって値下げ競争ようなことをするのは勘弁してもらい、しっかりと今の値段を保っていただきたい。
空間もゆとりがあって、満席でもギュウギュウしない。
あまり隣の人との間隔が近いと、私はいつもキーボードを叩いているので迷惑がられて、
「チッ!」とおばさんに舌打ちされて心に深い傷を負い、二度と人前でキーボードを叩けなくなるという、そういう危険性もない。
私は、ナイーブな男なのだ。
さらに、店員の教育がしっかりしているのと、どこか品のある人が多く、その空間に身を置いていることで良い状態になれる。
すでに人間関係も構築されている。
だから通っているのであって、新しいカフェができようができまいが、そんなことは関係ない。
とはいえ、店側からすれば心配になる気持ちもわかる。
だからだろう。
「⚪︎⚪︎の珈琲って、なんか変な味しませんか?」
と、店員が言った。
残念ながら、変な味はしない。普通の珈琲だ。
人は不安になると、そういうことの一つも言いたくなってしまう。
わかる。
でも、心配しなくていい。
私は明日も、この店に来る。
でも、そんなことをあえて言うのも野暮だと思い、
「ここの店の珈琲は、おいしいですよね」と、他店のことには触れずに返しておいた。
人は不安になると、他の悪口を言いたくなるもの。
悪口という行動の前に、不安や恐れがあるのだ。
だから、いつも他人をけなしている人は、不安や恐れの強い人だということも分かる。
自然な人間の心理としてそうなる気持ちもわかるから、その店員さんがどうこうという話ではない。
自分にだってそういう部分はあるのだから。
ただ、そういうものだよなと感じたという、それだけのこと。
そして、ただ感じたことを、書いているだけだ。
不安や恐怖に駆られると、そこを出発点として行動を起こすことで、行動それ自体もネガティブなものになりがちだ。
なかなか人生が好転しない、と感じている人はそうしたことを繰り返しているのかもしれない。
そして、結果的に、その動機のもとになっていた現実を呼び寄せてしまったりする。
さっきの例で言えば、私はどこかや誰かの悪口を言うような関係は望んでいない。
もしもそれが続くようなら、行く回数が減ってしまうこともあり得る。
かもしれない。笑
悪口など言ってもよいことはないとわかりながらも、どうしてもそうしてしまうのは、
恐怖や不安が強く、自分に自信がないからなのだろう。
まあ、リアルに店舗があるカフェ経営のような場合、近くにカフェができるということはかなりの一大事。
不安になるのも、仕方ない。
ただ、一人の客としては、変わらずにいてくれればいいなと思うと同時に、今回の件を通じて、自分自身についても省みてみようと思うのだった。
さて、今日はこれからイケジムの大阪セミナーへ。楽しみだ。
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