さて、今回は「やりたいことがスマホゲームであること」に葛藤を抱える少年に登場してもらい、
やりたいことについて書いていきたいと思います。
やりたいことはスマホゲームか、それとも…
「潤さん」
「はい」
「おれ、スマホゲーム好きなんすよ」
「ああ、スマホゲーム、楽しいよね。僕も一時期、ハースストーンっていうゲームをやっていた時期があるよ」
「マジすか。潤さん、ハースストーンすか!カードゲームですね!」
「うん」
「おれ、スマホゲーム好きなんすけど、でも、これでいいのかなって思うんす」
「ふむ」
「やりたいことをやれって言われたときに、スマホゲームがしたいなって思うんですけど、おれ、12歳なんす」
「12歳」
「そうす。将来が、果てしなく長いんす。将来有望なんす。
今ってプロゲーマーとかってあるじゃないですか。
でも、そこまでの覚悟はないんす。プロになる気はないす。
でも、かといって他にやりたいことがあるかっていうと、大して…。
スマホゲームには勝てないかなって」
「なるへそねえ」
「ママにもゲームばっかりしてないで!って言われるし…」
「ママは関係ないかな」
「え」
「とりあえず、今はママのことは置いておいて、一緒に考えていこうか。自分以外の人の思惑が入ってくると、ややこしくなってくるからね。
まず、スマホゲームは普通に楽しいよね」
「まじ最高っす」
「分かるよ。僕も、ゲームは全般的に大好きだから。やろうと思えば、1日中だってできると思う」
「潤さん、1日中ゲームしてるんですか?夢の暮らしっす」
「全然そんなこと言ってないぞ。笑。
まずゲームが楽しいことは事実であり、そこに善悪はないし、それはそれでいい。何の悪いことでもない」
「おれ、許されていいんすね」
「許されるとか、12歳が使う言葉じゃないな。笑
スマホゲームが好きなのは良いとして、プロとしてやっていったり、それを仕事にするというほどではないと」
「そうなんす」
「まあ、もしもスマホゲームを仕事にするなら、方法はあると思う。
リアルのオフラインでの交流会を主催したり、ゲーム実況をやったり、という道も今はある。
ゲーム実況なんかは本当に本気で取り組めば仕事にできると思う。
ただ、そこまでの思いはなく、覚悟もないのだと」
「ズバリ的中っす。
本気というより、遊んでいたら楽しいって感じっす。
本気でやって、プレッシャー感じて、となると、嫌になりそっす。
別にYouTuberにも対しても興味はないすね」
やりたいことを【明確化】してみる
「なるほど。じゃあ、違う方向で考えていこう。
スマホゲームの、何が楽しいんだろう?」
「何が楽しい、すか?うーん、考えたこともないすね」
「ちょっと考えてみようか。何が楽しいのか」
「そすねえ。やっぱり、スコアが上がっていくのとか、レベルが上がるのは楽しいすね」
「なるほど。他には?」
「人と対戦したり、協力プレイができるのも好きす」
「ふむふむ。経験値を積めたり、レベルが上がったり、友達と対戦したり協力するのが好きなんだね」
「そうすね」
「じゃあ、もしも、スマホゲーム以外で、経験値を貯めればレベルが上がって、人と協力できるものがあれば、それも楽しそうかな?」
「ちょっとイメージできないすけど、そんなのがあれば楽しそうですね」
「まだイメージできないよね。
オーケー。
今、君の中で、
やりたいことはスマホゲームという状態から、
やりたいことは、経験値を積んでレベルを上げること、人と協力プレイができること、という風に抽象度が一つ上がった」
「ちゅーしょーど?ラーメンの肉のことすか?」
「ちゃーしゅーではないな。大して似てもいないね。さっきの言葉は気にしなくていい」
「りょっす」
「スマホゲームの楽しさの本質を見極めて、スマホゲーム以外で楽しいと思えることを見つけやすい状態になったってことなんだ。
これは決して、スマホゲームを否定しているわけじゃない。
ただ、他にもやりたいことはあっていいし、まだ君は12歳で、
自分がいる世界の中で楽しいと感じられるものに出会えていないだけの可能性もある」
「まだ12歳すもんね」
「そうだ。
というか、スマホゲーム以外に、以前に楽しいと感じていたことはあったのかな?」
やりたいこと、気楽にできること
「そっすね。普通に、友達と遊ぶのは楽しかったすね」
「今は、遊んでないの?」
「いや、それは…」
「…」
「ちょっと、何かを見抜くようなまなざしを感じるっす」
「いやいや、そんなことないよ。でも、何かあったの?」
「ちょっと、友達と喧嘩しちゃって。今、気まずいんす」
「そうなんだ。スマホゲームを始めたのは、喧嘩をしてから?」
「そっすね。他にすることがなくて」
「なるほど。友達とは何をして遊んでたの?」
「サッカーとか野球とか。あ、ゲームも一緒にやったりしてたっす。
あとはもう、とにかく一緒にいて、、、何をしてたかは色々すぎてあれっすね」
「喧嘩してから、気まずくなって、そこからゲームを始めたと」
「そっす」
「仲直りしたいとは、思う?」
「それはもちろんそっす。でも、許してくれるかどうか。。」
「お互いに謝ることなく、ちょっと距離を取っているみたいな感じになっているんだね」
「はい。。。」
「もし、何でもできるとしたら、その子と仲直りして、また遊びたい?
みんなで一緒に過ごして、協力プレイをしながら色んな経験をして、経験値を貯めて、どんどんレベルアップしていくんだ」
「…最高っす。夢の生活っす」
「そのためには、何が必要?」
「うーん。謝ること、すかね」
「ふむ」
「でも、なんか。。」
「勇気がいるよね」
「怖いす」
「大丈夫だ。向こうも、仲直りしたいと思ってる。
向こうだって、どうしようかなと悩んでいるんだ。
でも、きっかけがない。
きっかけがないだけで、向こうだって君ともう一度遊びたいと思っているよ」
「そうなんすかね。。」
「もし、何でも可能だとしたら、何がしたい?」
「それは、、、みんなと遊べたら最高っす」
「でも、仲直りできるか、怖い」
「そっす」
「やりたいことは、やりたいことであればあるほど、怖いという感情が伴ったりする。
ちなみに今、好きな人はいる?」
「べ、別に、あゆみちゃんのことは好きじゃないっす!!」
「あゆみちゃんのことが好きなんだね。
あゆみちゃんと話すの、ちょっと怖いでしょ?」
「緊張するすね。ともみちゃんだったら平気なんすけど」
「好きっていうのは、そういうことだ。
やりたいことも同じで、やりたいことであればあるほど、恐怖が伴ったりする。
あゆみちゃんとディズニーランドに行くのと、ともみちゃんとディズニーランドに行くの、どっちが楽しそう?」
「そりゃあ、あゆみちゃんっす!!!」
「あゆみちゃんをディズニーに誘うのと、ともみちゃんをディズニーに誘うの、どっちが気軽にできる?」
「ともみちゃんっす。別に断られても、平気っすね。お気楽っす。まあでもディズニーランド自体楽しそうなんで、気軽に楽しめそうっすね」
「そういうことだ。
気楽にできて楽しいことと、本当にやりたいことには、そういう違いがある。
スマホゲームは気軽にできるし、実際、楽しい。面白い。
だけど、君の場合、心の奥底を見つめれば、本当にしたいこと、みんなで遊ぶ、ということがある。
ただ、それをやるのは怖い。
その恐怖と向き合わず、お手軽なものに手を伸ばす。
そうしている間に、どんどん時間は過ぎ去っていく。
君は12歳ということは、6年生で、もうすぐ卒業だね?」
「はい」
「みんなとは、同じ中学?」
「いや、僕は別の中学に行きます」
「そうか。残された時間は、そこまで多くはないな」
「…」
「もちろん、スマホゲームは楽しい。
何度も言うように、そこを否定する気持ちは全くない。
大事なことは、自分の気持ちに正直であることだ。
本当はどうしたいのか。
自分にとっての最高とは、何なのか。
自分にとっての最高を追い求めるのかどうか。
それを決めるのは、君自身だ」
「…」
「もし自分から謝るということができたなら、それは経験値になる。
君のレベルは間違いなく上がる。
自分から謝ることができた。
自分から行動することができた。
自分から先に気持ちを伝えた。
それは、偉大なことだ。
それができた君は間違いなく成長するし、これからも先もそれができる君になる。
まず間違いなく仲直りできるけれど、
もし万が一、許してもらえなかったとしても、
今より状況が悪くなるということはない。
今と同じであるだけで、実はリスクはない。
あるのは、君の成長だけだ。
リスクはないけど、チャンスはある。
もう一度、みんなで最高の時間を過ごせるという、チャンス。
今なら、みんなで最高の夏の思い出を作るチャンスがある」
「…おれ、自分にとっての最高を、あきらめたくはないす」
「そうか。
だったら、することは一つだね」
「おれ、行くっす。あいつんち。
潤さん、ありがとうございました!
そうと決まれば、急がないと!
ダッシュっす!
じゃあ、、、行ってきます!!」
「おっと、ちょっと待って!」
「何すか?」
「置き忘れてるよ、スマホ」
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